ウィーン・フィルの新しいコンサートマスターは25歳のパレスチナ人

超絶保守派のウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルにおけるわりかし衝撃的なニュース、と言ってよいのだと思います。ウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルの新しいコンサートマスターは25歳のヤメン・サーディ。若い!と思うかも知れませんが、コンサートマスターっていうのは若くして就いて何もおかしくないポジションです。才能さえあれば。

しかしさらなる衝撃は、イスラエル出身のヤメン・サーディは、パレスチナ人だということでしょう。宗教の垣根を跳び越えヨーロッパのオーケストラのコンサートマスターに、しかもウィーン国立歌劇場&ウィーン・フィルという、とんでもないポジションについたということで、これはわりかし衝撃的なニュース、と言ってよいのだと思います(2回目)。

すごいことだ!と私は軽くクラクラとしました。ウィーンのコンサートマスターという職、アジア系はこれまで分厚い壁に阻まれ誰も到達することが出来ていないポジションであり、もちろんアラブ系の人たちも誰もいなかった。

すばらしいブレイクスルーであります。

ナザレ生まれ。バレンボイム・サイード音楽院でヴァイオリンを始める。11歳でウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団に入団。17歳でコンサートマスターに。クロンベルク・アカデミーでミハエラ・マーティンに師事。

そしてヤメン・サーディはインタームジカという英国随一の事務所(バーニングとかアミューズとかホリプロみたいなもんだと思ってください)に所属が決定。ワールドワイドでインタームジカが面倒を見るとあるので、コンサートマスターとして忙しく過ごしながらソリストとしてもやるで、ということでしょう。しかしウィーン・フィルのコンサートマスターでロンドンの事務所と契約した人がいままでいただろうか?いやいない、多分。多分ね(適当なことを書くと「いやあのひとが!」っていう反応もあるかもと思うんで予防線を張る弱気なやつ)。

これでウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルのコンサートマスターは4人に。ライナー・ホーネック、フォルクハルト・シュトイデ、アルベナ・ダナイローヴァ、そしてヤメン・サーディ。

イスラエル・フィルが今年5月に公開したヤメン・サーディの短い紹介映像をどうぞ。

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