イングリッシュ・ナショナル・オペラを救え!

イングリッシュ・ナショナル・オペラ(以下ENO)への助成金が大幅にというか、全額カットという話がありましたが、これが炎上しているというか、わりかし問題視されていて「マンチェスターに移転すれば半分弱は残しますよ」というアーツ・カウンシルの提案に対してNOを多くの人々が意思表明をしているという話。

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特にバス・バリトン歌手のブリン・ターフェルが発起人になったChanges.orgでの署名の数はわずかに4日間で35000人にならんとしている(これを書いている11/12午前7時現在)。

ENOで働いていた歌手、音楽家、技術スタッフなどの職が危険にさらされる、ロンドンで何十万もの観客がオペラを見られなくなる、ということのほか、ENOがこれまで設立から90年以上にわたって実施してきた数々の施策によって若者をたくさんよびこめていること、初めてのオペラ体験を提供していること、21歳以下の若者に無料の席を提供していること、聴衆の多様性を確立していること、ロンドン市外からの聴衆の数が50%を超えていること、英国オペラ界の最高の才能を排出してきたこと、格安のチケットを提供してきたこと、などを挙げて、カンパニーを救おうとしています。

ちなみにアーツ・カウンシルのENOへの助成金はこれまで1260万ポンド(約20.6億円)で、それがゼロになる。これはカンパニーの年間総予算の3分の1だそうで、それはさすがにどうやったって他の方法での回収は不可能かと思われます。マンチェスターに移転すれば1700万ポンド(約27.8億円)を3年間で支給というアーツ・カウンシルが提案した代替案?も注意深く検討した結果実行不可能だと、ENOのトップが反発。「ばかばかしい」「非常識」と。

ほかのロンドンの音楽団体、たとえばブリテン・シンフォニアも、ENOがお金をもらって当然だとは思わないが、100%カットはさすがに不可解、と批判。

結末がどこにいくのか。日本の法務大臣問題のように「一転して更迭」みたいなそういう流れになったりもするのでしょうか。「ここまでの反響は予想していなかった」「有益な議論をすることができた」などという発言と共に撤回、みたいなことが起こりうるのでしょうか。

しかしこれは他人事ではないですね。どうやって資金を得て活動をしていくのかというのは日本においても、全国のクラシック音楽団体にとって死活問題なのです。

アイデアを絞って生き残っていこうぜ!

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