現場からお伝えします。ただいま私はベルギーのブルージュに弾丸で来ております。ブルージュ国際古楽コンクールチェンバロ部門のファイナルが昨晩開催されていたのですね。
前回つまり2023年の覇者マチェイ・スクシェチュコフスキがすでに2度来日し、ぶっ飛んだ演奏を披露してくれていますが、3年ぶり開催となった今年のコンクールはなんと、ファイナルに選出されたのが偶然「全員女性」というとても興味深いことになっておりました。全て男性だった前回と真逆!というコントラストを成したのでした。なおコンクールの過去の記録をみましても、チェンバロ部門で女性が優勝したのはこれまで1998年のベアトリス・マルタンただ1人だけで、その意味でもとても注目度は抜群であるな、、、、と、成田エクスプレスの中で思っていました。
そして昨夜(2026年8月6日)、朝到着したばかりで激しく時差ボケしていた私は、あるときは3分の2、あるときは10分の10ほど目が閉じていた瞬間がなかったとは申しますまい。しかし、4時間の貴重な長丁場をともに体験し聴き遂げたのはとても喜ばしいことでありました。
前回の記憶ともオーバーラップさせながら聴いていて、だいぶ様相が違うようだなと感じたのは課題曲の違い(ハイドンの協奏曲も入っていた)、提供されていた楽器の違い、あるいは男女の差のようなものもあるのだろうか、とも思ったのですが、なんというかこう、シャープさ、ギンギンにチューンナップされた筋肉美のようなものよりも、ふわっとした温かみのようなものをより感じました。面白い・・・!と半ば目を閉じながら絶句していたのでした。
そして優勝したのは!スペイン出身のイレーネ・ロルダン(公式サイト)。2022年のバッハ国際で2位に入賞していた人物であり、今年29になります。ついに悲願がかなったということになりましょう!そしてブルージュ国際コンクールチェンバロ部門に2人目の女性覇者が生まれた瞬間だったのでした。チェンバロを扱う余裕のようなものが感じられ、落ち着きのある演奏でありました。
なんと今年は5人のファイナリストのうち優勝者と2位―これまた興味深い演奏をした中国系の女性―のみが選ばれ、残り3名は入賞者、という結果になったのも興味深かったですね(あとから聴いたところによるとこの結果にはかなりの議論があった、とのことです)。このふたり以外はコンクールとして順位付けしなない、とする姿勢には、どうしてどうして、という言葉もあるかもしれませんけれど、審査団の覚悟というか、本コンクールはかくあるべしという強い姿勢のようなものも垣間見え、考えさせられました。行間を読むことが求められるな!と思いながら気が付けば私は1階ロビーへと移動し、審査団の皆様と乾杯~などしておりました。
イレーネ・ロルダンは弊社の招聘で、いきなり来年5-6月に全国ツアーを予定しております。見事な若き才能のほとばしりをどうか指折り数え楽しみにお待ちください。詳細はまた遠からず。
そういうわけで、目を閉じたら眠れる完徹状態の私は、これを書こうと思ってホテルに戻り、うっかりお布団に入ってスヤァ・・・と寝て先ほど起きたということを記したいと思ったのでした。


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