ニューヨーク・リンカーンセンターが実施する認知症患者とその介護者のためのプログラム

人は常に老います。昨日もテレビのニュースで、山で遭難する人の多くが50代以上の人であるということを知りました。私もそこ(50代以上というポジション)にあと一年もせず加わるのだと思うと、不思議な心持ちになったのでした。心はまだまだ若いつもりでも、そんなことはないんやで。

世界中で認知症を患う人は6000万人近くいて、毎年1000万人があらたに発症する。進行性の疾患で、治療法は存在しない。そしてそれは当然、長年音楽を愛好してきた人にも訪れうる。そんな人たちのためのプログラム「リンカーンセンター・モーメンツ」がリンカーンセンターで実施されているそうです。そして先日それが10周年という節目の時を迎えたそうです。APがニュースにしていて、知りました。

いわゆる音楽療法という言葉は昔からあります。そしてこうして世界一流のホール、複合施設で、優秀な音楽家たちも参加するこのような取り組みが継続的に行われているというのは、素晴らしいことだと思います(参加が難しい人はオンラインでもOK)。

なぜこのシリーズが始められたのかというと、「必要性から」と、ストレートな回答で、かつて定期会員だった方々が、家族が認知症になったため更新しない、という声を聞くケースがますます増えているからだそうです。何十年にもわたって、定期会員だった人々、つまり、自分たちを支えてきてくれた多数の人たち、その人たちが空白となってしまう、それを埋める責任を感じたのだということだそうです。

そこへ来て音楽を聴く。ただ聴くだけでなく、音楽療法士などによるワークショップも様々行われるバリアフリーなコンサート。人々は手をつなぎ、足でリズムをとり、声を出して音楽に参加する。事前登録は必要だが参加費は無料。

認知症を患う人たちにとっても、通い慣れた場所で引き続き時間を過ごすということは、心が安らぐことかもしれませんし、ただ家や病院にいるよりも刺激もあって、症状の進行がゆるやかになるかもしれず、そうでないにせよ、よりよい時間を過ごせるということでしょう。そして認知症を患う本人だけでなく、支えなければならない家族たちにとっても安らぎの時間となるのではないかと想像します。

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