新デイヴィッド・ゲフィン・ホール完成

Photo: New York Times

昔はエイヴリー・フィッシャー・ホールって言ったんだよね、高校生の時にアラウの80歳記念リサイタルの映像をビデオに録画して何度も見たな、って思いながらググったら1962年のオープン当初はフィルハーモニック・ホールという名前だったのだということをたった今知りました。世の中には知らないことがいっぱいあるなあ、と思いました。そうしたら猫が横を悠然と通過していきました。プチ平和。

ニューヨークのリンカーン・センターの中にあるニューヨーク・フィルの本拠地。何度か改修されながらも音響があまり秀でていないということで長らく残念がられていたのですが、またまた大改修をするぜ今回は徹底的に、いやテッテテキにということでそれが実行に移されていました。

1983年2月20日日曜日午後3時頃はどういうホールだったのかというと、クラウディオ・アラウの80歳記念コンサート(エイヴリー・フィッシャー・ホール)がこんな感じ:

慈善家のデイヴィッド・ゲフィンさんが1億ドルをポンと出して、さらに他の方々からの支援とかも多分得て5億5000万ドル(800億円ぐらい)を費やして大大大改修を行ったと。当初は2024年の完成を予定していたがコロナのおかげで進みが早くなって昨日公式にオープンしたと。建築物大好きっ子は建設中の画像とかをここから見たってください。

https://www.nytimes.com/live/2022/10/08/arts/geffen-hall-reopens#musicians-on-their-new-hall-you-could-hear-everything-i-felt-a-jolt-of-caffeine

ニューヨーク・タイムズ紙がいくつも記事を出していて、特集、速報を組んでいるのが面白い。それだけニューヨークのニュースとして目立つということか。いや、それはPR部門の皆様が頑張って熱心にNYタイムズに働きかけたからかもしれない。やるなPR部門!(勝手に褒めるな)

いや、5.5億ドルあったら新しくゼロからホールが建つんじゃないのぐらいの勢いですが、大改修のおかげで音響が劇的によくなったそうです。ヤープ(NYフィルの音楽監督)もオケのメンバーも大変満足しているとか。素晴らしいことです。

2800あってでかすぎた客席を2200に減らした効果もあったってことのようであります。客席を減らしたことで大きな変化がもう一つあって、それはトイレが増えたと言うこと。これはでかいですよ。「スペース余るからどうする」っていう会話がなされたとおもうんですよ、ほんで、現場から「トイレが少なくて困ってんねん、特に女性部門は毎回長蛇の列よ」っていうコメントが上がってきたと思うんですよ。「これや!!」ってちゃんとそれを活かしたのは素晴らしい。

現場の声、大事ですよ。事件は現場で起きてますから。客席数が減ったこともあり、これまで35人に1人分しかなかったトイレがなんと15人に1人分になったということなんだそうで、ふむ、わかったようなわからないような気もしますがともかく増えたのは実によきことかと思いますね。なぜなら「ああああああトイレはよしてはよしてー、開演前のベルた鳴ったー、ヒー!!はよはよはよ!!」っていう悲劇がこれからはもうなくなるわけですから。

なお蛇足ながら付け加えておこう。こういう時はたいていの場合「トイレの列がまだなくならない」って言う情報が舞台袖には入っており、皆さんがトイレを済まされるまで開演しない場合が多いので安心して欲しい(だからといって安心して化粧直しにせっせと励まないで頂けますと幸いです)。

最後トイレの話になってますけど竣工おめでとうございます。

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