エリザベート国際でチェロの弦が切れる→場内アナウンス「どなたかA線お持ちではありませんか」

明日からいよいよエリザベート国際チェロ部門のファイナルが開始されますね。本日をもって12名全員の幽閉が完了するわけですけれども(幽閉が何のことかわからないかた置いてけぼりにしてごめんなさい)、セミファイナルで奇妙なトラブルがあったとは知りませんでした。

チェリストのA線がステージ上で切れたという事件。しかもその切れた弦というのが、前の日の晩に交換したばかりの弦だった。すなわち本人はもはや予備のA線を持っていなかったのです。これは恐怖。どうしたらいいかわからないですね。医者もメスがなければ手術は出来ぬ。チェリストは、弦がなければ演奏不可能。その瞬間の動画が出ていますが、オー、アー、とため息をつくしかない感じ。本人は、やばいよやばいよ、換えたばっかじゃん、って思っていたと思いますね。いや、まだこの瞬間はそこまで思い至っていない可能性があります。いいねがめちゃくちゃついてる。

結果、「えー、お客様にお願い申し上げます。ステージ上で急病人(チェロ)が出ました、お客様のなかにお医者様(A線をお持ちの方)はおられませんでしょうか、繰り返します。ステージで急病人です。ドクターは速やかに客室乗務員まで」。これと一字一句同じとは申しませんが、同じような内容のアナウンスがなされたことは想像に難くありません。

結果、速やかにA線が届けられ、演奏が再開となった。確かに会場には多数の音楽家、音楽愛好家、あるいはコンクール参加者がおられたのであろうことは間違いがございません。弦の提供者はワロニー室内管(のチェリストでしょうね)。おっちゃん貸したるわ。助かります!明日お返しします!いいってことよブロー。ああっ、ありがてえ!!

これは助け合いの精神。見事ですね。人はトラブルやアクシデントをともに超えることで結束する!実によき話です。このチェリストは残念ながらファイナルに進出がかなわなかったようですが、しかし、人生のハイライトとなったことは間違いがなく、ほろ苦くも甘い思い出として残るのでしょう。

「冗長性」という言葉、ご存じですか。大切です。昨日切れた弦がまた切れるというのはなかなか想定外の事件ですけれど、普段から弦のストックは持ち歩くべき理由がよくわかります。なお我が家なら洗濯用洗剤のアタックは常に3個買いしています(何の自慢)。

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