イングリッシュ・ナショナル・オペラに助成金が復活

助成金100%カットという衝撃的なニュースがエゲレスのオペラ界隈に衝撃を衝撃して衝撃となったのは昨年11月のことでありました。イングリッシュ・ナショナル・オペラに対する衝撃の0査定。これを衝撃と呼ばず、何が衝撃なのか。

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いきなり前置きなしに全額カットとかさすがに乱暴すぎやしませんか、しかもその額が数十万とか数百万とかじゃなくて20億円(1280万ポンド)という話だったんで、とんでもないことでした。こんなカットいきなりやられたら解散以外ないでしょ。「それがいやならマンチェスターに行きなよ、ならお金あげるし(それでも減らすけど)」とかね。

ふざけるな!

とイングリッシュ・ナショナル・オペラの関係者が、あるいはライバルでさえ激怒したのも当然のことかと思います。むちゃくちゃしよるな!

まあ落ち着け。話せばわかる。

そこで「問答無用!」「バーン!」とならなかったのはよかったことでした。誠実に?対話がもたれ、議論がなされ、結果、経過的措置として来年度は1146万ポンド(18億円ぐらい)を得られることになったようなので、2億円減るのは痛いけど、とりあえず関係者は胸をなで下ろすことが出来たのでありましょう。イングリッシュ・ナショナル・オペラとアーツカウンシルの共同声明というのがイングリッシュ・ナショナル・オペラのウェブサイトに掲載されました:

https://www.eno.org/news/joint-statement-from-arts-council-england-and-the-english-national-opera/

そしてそれ以降も協議次第では助成金を出すことにやぶさかではない、みたいなスタンスに変わったようです。よかったっすね。なおこの18億円の資金源は宝くじだそうです。ありがとう宝くじ。私一度も宝くじ買ったことないけど、今後は買うことも検討しようっかな。日本でも宝くじの助成でコンサート、やってますもんね。それで10億円もし当たったら・・・・・・グヘヘヘヘヘヘ。

しかし、英国アーツカウンシル(助成金を出しているところ)は、引き続きイングリッシュ・ナショナル・オペラにロンドン以外の場所(というかマンチェスター)への移転を求めていて、2026年目標とかそういう感じみたいで、そうなると1年や2年助成金がついても、やはり結果は同じことのような気もしますね。

大金を使ってオペラハウスを移転させる、それで成功すればよいけれど、成功する保証もないですよね。失敗して破産、みたいなことになった場合、アーツカウンシルは責任が取れるのだろうか。それとも努力が足りなかったから、と言って切って捨てるのでしょうか。もしかしてそれが目的(支出を抑えることが目標)である可能性も排除できない。

そもそもオペラというものが時代錯誤であって、生命維持装置として税金が投入されている、もうそろそろ、どうですか、装置を外しては?という最後通告のように捉えることも出来なくもないだけに、なかなかつらいところもあります。

たんに自分が好きだから、では理解は得られない難しい問題。自分の常識は他人の非常識。明日は我が身。直撃を喰らったイングリッシュ・ナショナル・オペラの関係者以外も、いろいろ考えないといけない話だと思います。

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