ショスタコーヴィチの人生を描く演劇「ホーリー・フール」が来月ロンドンで初演

ホーリー・フールという言葉はご存じですか。直訳すると聖なる愚者とかそういう事になりますけれども、これは特にロシアあたりのキリスト教の概念で、あえておかしな人のように振る舞い、世の中の価値観や権威などといったものから自由になることで普通の人には言えない真実を語る人のことです。皇帝にさえも、もの申せる、そのような存在でもあるわけです。ロシア語ではユロージヴィーと言います。

以上が前振りのうんちくであります。

そのホーリー・フールという名前をつけた演劇が、ロンドンの小劇場で世界初演されるということだそうです。ショスタコーヴィチの人生に迫る!!

これはどういうことか。ソ連時代、ショスタコーヴィチの人生は非常に難しいものだったのですね。何度も体制から批判され、スターリンによる粛清の恐怖とともにあったわけです。ゆえに体制に迎合した音楽を発表する一方で、自らの音楽もひそかに追究した。抵抗をしていた。実に複雑な人生、危険な綱渡りを強いられていたのです。

そこが、このホーリー・フールという言葉とも重なるというわけですね。

権威の支配下で生きる人とが直面する困難。検閲、プロパガンダ、妥協、専制政治に立ち向かう芸術の不朽の力。そのような切実な問いを投げかける。というものであります。

これは過去の話ではない。現代においても、ロシアの侵攻が始まって以来、芸術家や知識人たちは戦争によって苦しめられてきた。命の危険にさらされながら、綱渡りをしている。ショスタコーヴィチの人生がここに重なってくるということですね。

芸術家は常に政治に振り回されるもの。いろいろと考えさせられるような内容になっているのでしょう。

上演は8月27日から10月10日まで、ロンドンのパーク・シアターで。250席の小劇場だそうです。お安い席は25ポンドぐらい。でも円が安いから5000円しちゃう。

円安反対!!!!密かな抵抗ではなく、赤裸々に口にしたい。

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