家族や恋人と共演するということについて

このブログをお読みの方であればユジャ・ワンというピアニストと、クラウス・マケラという新進指揮者の事はご存じの方も多いでしょう。ユジャ・ワンは誰もが認める超・超絶ピアニストであり、クラウス・マケラは日本にもすでに何度もやってきている20代のカリスマ指揮者ですね。

この二人はおととしぐらいから?付き合っていて、コンサートでも共演することがあったのですが、どうやら破局をしたようだという噂が数ヶ月ぐらい前から流れていて、残念ながらそれはどうも真実であるようだよ、ということもなんとなくですが場末に住む私のところにも聞こえてきたようでした。

残念なことだなと思いますが、男女のことです。夫婦喧嘩は犬も食わない、とは昔からいうのですが、おっと、古すぎて誰もわからないだろうか。もうこんなことわざ使う事はないのかな。残念ながらわかんない、という方はググってください。しかし残念ながら破局。なにがあったのかはわからない。

で、残ったのは契約。

契約っていうのは、コンサートの契約。一緒にコンサートすることが将来ながく決まっていたようですね。なるほど。わかる。だが今となっては、気まずい。

気まずさ。

それも残っちゃうんですよね。プライベートを仕事に持ち込むな!とはいいますけれど、でもしょうがないよね。二人とも大スターなんで、恋人や家族でなくたって、共演の話はぜってー出るもんね。そしてクラシック音楽業界では家族や恋人と共演するということも昔から例がないわけではない。

最も有名なのはデュトワとアルゲリッチ。日本に来たときにケンカしてアルゲリッチが帰っちまった、という事件もあったものの、いまでは二人は仲良く80代。チャーリー、それはあんたが悪い、ぐらいは言ってやっているかも知れませんけれど(勝手に推測するやつ)、二人はいまでもしょっちゅう共演している。

いまはまだ傷が生々しく感じられ、二人とも若いからとんがっていて、共演NGとしているのかもしれません。こんどのシカゴ交響楽団の公演もユジャ・ワンがキャンセルしてしまって、代わりにソル・ガベッタが入る、ということになったようですよ。公式にも出ている。理由は明らかにされておらず、ユジャ・ワンはキャンセルしましたとだけある。それで察して。ピアノ協奏曲がチェロ協奏曲に。日本だと金返せの大合唱が起こるところだがアメリカではどうなのでしょう。

将来わだかまりが薄まっていって、二人がまた共演できるようになればいいですね。70代、80代になっても、おい、クラウス、てめえ懲りてねえな、ふざけんなバーロー!!とか軽口を叩きながらいい音楽をやっていってほしいものだと思います。

人生は長い。

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