スティーヴン・コヴァセヴィチ死去、86歳

コヴァセヴィチが亡くなりました。ピアニスト。かつてアルゲリッチのパートナーだったことでも知られます。実演に接することはなかったのですけれど、CDはよく聴いたように思います。

スティーヴン・コヴァセヴィチのことを初めて知ったのはアルゲリッチが表紙の赤い本?というか90年代に売られていたムック?でした。昔はビショップという名字だったがビショップ=コヴァセヴィチになり、最終的にコヴァセヴィチになった、というような説明が書かれていて、そのときから時々、なんでなんだろうとぼんやり思っていたのですが、調べたらすぐわかりました。長年の不思議が一瞬で解決。

もともとの名字がコヴァセヴィチ、ところが両親が離婚して母がビショップという名字の男性と再婚したためビショップになった、1975年頃からビショップ=コヴァセヴィチと名乗るようになり、1990年代初めにビショップを落としてコヴァセヴィチに戻した、ということでした。飛行機の機内誌に「スティーヴン・ビショップはまだ生きているのだろうか」と書かれたこともあるとのこと。

私が大学生だった頃、大学の図書館ではCDやレーザーディスクを視聴できるようになっていて、時々行っては音楽を聴いたり観たりしていました。ある日、何かの音楽を聴いていたら、知人がやってきて、コヴァセヴィチのCDを私のために借りてくれて「ほら」と置き、にやっと笑っていなくなった、バルトークの《野外にて》が入っていた、という記憶があります。

なんで置いて行ってくれたのか、なんでバルトークだったのかはもう忘れてしまいましたが、30年近く前の話を今でも憶えていてこうして思い出すというのはとても不思議な気持ちです。

コヴァセヴィチは、大変緊張しいであることでも知られていたように思いますが、今の若者は演奏でリスクを取らなさすぎる、という発言もしていて、ギリシャ時代から続く「最近の若者は」シリーズの一環かとも一瞬思いますけれど、しかしその言葉の重みというか、実際に舞台に立ち続けた人だからこその言葉は貴重で、これからも噛み締めていきたいと思います。

ホロヴィッツの前で演奏した話とか、本人がいろいろ語っているインタビュー記事はここに。

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