ニュルンベルクにあるナチスの党大会施設(未完成)がオペラハウスへ

ドイツやニュルンベルクの歴史に詳しい方なら未完成の党大会施設と聞いて「あああそこかな」と思われるのでしょうか。ニュルンベルクといえば短くておいしいニュルンベルガー・ソーセージ、あるいはワーグナー。《ニュルンベルクのマイスタージンガー》。歌合戦の愉快な作品ですね。ハ長調です。

そして有名なのはナチの党大会が1933年から38年まで毎年開かれていたことでしょうか。私もかろうじて知っていました。しかしその党大会のため建築が始まったものの、建設途中で中断しそのまま終戦になってしまったコングレスハレという巨大な未完の建物があったなんて知りませんでした。そしてそこは終戦後も未完成のまま民間の通販会社の倉庫として使われるなどしていたらしいのです。

本来5階建てで計画され、U字型の建物に囲まれた中央の巨大な中庭部分には屋根が架けられる予定だった。その中庭にはなんと5万人が収容できる、屋内で党大会が開催できる。そんな予定だったそうですが、屋根はおろか3階部分までしかできなかった。そして3階まであるとはいえ未完成の部分も多く、利用できない空間もけっこうあるとのこと。

そんな建物が残っているというのに驚きました。日本ではこういうのはあまりないのでは?むかし滋賀県の琵琶湖畔に、作りかけのまま放置されていた建物があって、幽霊ビル、と私などは呼んでおりましたが、それもいつの間にか爆破されてなくなりました。しかしこのコングレスハレ、未完成のまま様々に使用されてきたというのは興味深いと思いました。ニュルンベルク交響楽団もこの建物の一角に入っていて、事務所やらリハスタジオやらとして使用しているそうです。

そしてこの中庭部分にオペラハウスを作ってしまえというのもなかなかパワープレイですね。なぜなら現在あるオペラハウスが老朽化していて、大規模改修工事が必要だから。なんだ仮設かと思われるかもしれません。実際仮設として計画されたようですが、そして公的な助成金を使用して建てられるのですが、その条件として少なくとも25年間は使用しなければならない、ということとなった。わりと長く使わねばならないということで、考え方を変えて現在の劇場の改修工事は15年以上手をつけないかも、というなんとも気の長い話になっている模様です。工事中の写真は市のサイトにありますのでどうぞ。U字型の内側に、斜めにテトリスのような建物がバーンと建つ。2028年に完成させる予定。

ドイツではこのところ工事関係が難航しがち。この仮設の劇場も予定通り完成するのか、そのあたりも気になるところではあります。もちろんナチスの歴史をどう伝えていくかという難しい問題もありますが、歴史的な建物の一角をオペラという歴史ある芸術のための施設として使う、というのはいいことなのだと思います。

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