ブリテンなどと並ぶ、20世紀を代表するイギリスの作曲家、マイケル・ティペット(1905-1998)。代表作はオラトリオ《われらの時代の子》とかオペラ《真夏の結婚》とかでしょうか。
このたび英国国立公文書館が公開したMI5の機密文書によりますと、なんと1934年から60年代後半にいたるまで、かつて共産党員でありトロツキストだったティペットはMI5の監視下にあり、50年代にはMI5がティペットの政治的経歴を理由に、西ドイツでの講演の仕事を妨害していたことも明らかになったのでした。
さらに驚くべきことに、ティペットは59年にはCBE(大英帝国勲章コマンダー)を受章、66年にはナイトに叙されているというところですか。監視中にも叙勲されているとか、こう、イギリスの二枚舌三枚舌を象徴しているのではないか、と不思議な気持ちにもなります。表向きは評価しつつも、裏では警戒をする。映画的なというか、事実の不思議さのようなものを感じます。
なお1962年になるとティペットの仕事を妨害する必要なしと判断され、65年には保安上の重要性なし、最終的には67年に監視記録が終わっている、ということだそうです。英国国立公文書館のサイトで無料アカウントを作成すれば、機密文書を無料でダウンロードできるようなので(たぶん)、ご興味のあるかたはこちらからどうぞ。検索語句はMichael Tippettです。pとtが2ヶずつなのでお気を付け下さい。pが一個足りなくてヒットしなかった人がここに。
興味が湧いたので追加で調べてみましたところ、MI5はイギリスの国内の情報機関で、我々が007なんかでよく知るMI6は対外情報機関ですね。1909年に前身の秘密情報局が作られ、第一次世界大戦中の組織再編を経てMI5、MI6という呼称が使われるようになったと。番号は徐々に増えていき再編などもあって19まで数字が振られた。っていう話は初めて知りました。
1:暗号解読・暗号通信
2:ロシア、スカンジナヴィアなどの地域情報
3:東欧など
4:地図・地形情報
5:防諜、国内の安全保障
6:外諜報活動
7:宣伝・報道
そして19が捕虜尋問。シリーウォークは何番?アビューズは?(ありません)
19まであったとか驚き。なお、いまもMIの名前で活動しているのは、この5番と6番のみ。本当かな?イギリスのしたたかさを考えると、実は全部いまも動いていたりして?


コメント