オレグ・マイセンベルクが80歳で亡くなったそうです。1945年、数々の音楽家を生んだウクライナのオデッサ生まれ。大学の頃、これを聴け!!マイセンベルクやべえ!!と、まだ関東になじみのない私に教えてくれた大学の先輩がいて聴いたのが初めてだったように記憶しています。私の青春の一ページを彩るピアニストなんですね。記憶が曖昧ですが、ヨーロッパでも何度か聴いたように思います。
1981年にソ連を出てウィーンに住みつき、国際的なキャリアを花開かせた、いぶし銀のピアニスト。いわゆる「大スター!キャッハー!」というのではなく、地道に良い仕事をしている。そういう味わい深いピアニストだったと思います。
クレーメルとの録音などでもよく知られていました。室内楽の仕事も多数。教師としてもティル・フェルナーを教えるなど活躍。お会いしたことはないのでお人柄とかは存じ上げなかったわけですけれど、なんというかこう、私が勝手にそう理解しているだけなのですが、一見地味だが良い仕事をしている職人タイプ、私は大好きですね。
いきなり何をと思われるかも知れませんけれど、こち亀でブルヲタの回というのがあったらしくて、そのコピペがネットでもいっとき出回っていたように思うのですが、私の記憶が間違っていなければ、真のブルヲタたるもの、誰のあれがどうとかこうとか、小難しいうんちくはもうすべて抜きにして、「ミレド」と言うだけで理解し合える、というエピソードが描かれていて、二人のオタクが「ミレド」「うむ」。とうなずき合う。それがもう大爆笑なのでございますけれど(何のことか全然判らない方ごめんなさい)、そこからマイセンベルクという方はつまり、こういう真の開眼の境地と申しますか、悟りの世界と申しますでしょうか、そちらの側との相性がとてもよかったのではないかと思いますね。
勝手な想像をしてすいません。派手ではなくとも、ああ上手だなと、しみじみと思う。そういうピアノを聴いていたいな、と私はいつも思っています。ご冥福をお祈りいたします。


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