リーズ国際ピアノ・コンクール。ルプー、ペライア、内田光子、シフといった様々な逸材を輩出してきたイギリスの著名なピアノ・コンクールです。ファニー・ウォーターマンという女性がいて、彼女がエンジンでありました。その彼女もなき今、リーズ国際は徐々に変化をしてきている。
次回は来年9月に開催されるわけですが、近年はクライバーン国際などでも存在感を高めているスティーヴン・ハフが芸術監督兼審査委員長を務めるということが発表されました。そしてなんと、実に野心的な方針が同時に発表されました。課題曲、なし。なんなら自作を弾いてもいい。
これはかなりの驚きです。
もちろん、課題曲は自由、とするコンクールは世の中にはありますけれど、世界屈指のピアノのコンクール、メジャーなコンクールでは恐らくなかったのではないですか(あったらすいません。ブゾーニもわりと自由みたいだけど)。スティーヴン・ハフはなぜそういう決断を下し、なぜ事務局はそれをオーケーとしたのか。
コンクール代表からのメッセージ「変化を続ける音楽界にてコンクールがアーティストに最も貢献できる方法について熟考した結果、単にピアニストの技量を試すだけでなく、個性的な芸術的才能を発掘し、個性、想像力、そして真正性を発揮できる場を創出し、コンクール後もアーティストに有意義なサポートを提供するコンクールが誕生した。これは、リーズが芸術的卓越性の基準を確立し続け、アーティストが永続的なキャリアを築くためのプラットフォームであり続ける未来を形作るためのものだ」
ハフのメッセージも印象的
「仮にモートン・フェルドマンだけでプログラムを組んでも、それだけで不利になることはありません。ただし、その結果あなたがファイナルの舞台ではなく客席から演奏を聴くことになったとしても、私たちのせいにはしないでください!」
スケジュール
3/30-4/6 国際予選:約25~30分
9/8-10第2ラウンド:約40~45分
9/12-14 セミファイナル:約60分
9/17-18ファイナル:協奏曲1曲
なるほど。教育の現場やコンクールにおいて古典とかバロック、とりわけバッハはけっこう必須とされるわけですが(ショパン国際コンクールは例外)、そういう常識を撤廃すると。さらには年齢も35歳にまで引き上げられる。年齢制限なしっていうコンクールも世の中にはありますがだいたい30歳以下が多く、これもまた際立つ変更になりますね。
リーズには室内楽のラウンドもありましたがそれもなくなり(あってもなくてもよさそう)、もし希望するなら恐らく自分で誰かを連れて行くということになるのかなと想像します(ルールには特に書かれていない)。ファイナルの協奏曲については、3曲自由に提出し(ハフ「バルトーク3曲でも全く問題ない」)、編成上の理由などで出来ない曲は却下され、最終的にはコンクール側が2週間前に1曲を選び、それを演奏することになるそうです。
ハフのロング・インタビューがガーディアン紙にあるので、そちらもどうぞ。


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