このところのホテル代の高さはなんとかならないのか、なんともならないみたい。

最近思うのですが、クラシック音楽のコンサートのチケットは高いのでしょうか安いのでしょうか。

もちろん、クラシック音楽の、とひとまとめにするのは間違いではあります。クラシック音楽といっても、大きなオペラ、オーケストラ、室内楽から一人でやるリサイタルまでありますし、超一流どころからかけだしの若者まで、様々だからですね。これはレストランなんかとおんなじことです。駅前にある街の中華料理屋さんと、都心にあるミシュランの星がついているような高級中華とでは値段に爆発的な違いがあるわけです。使ってる食材も、使っている技術も違うわけですし(どっちがいいとかではなくて)。

クラシック音楽コンサートには様々な形での支援金やスポンサーがつくこともあります。そう言ったお金のあるなしによってもチケット代金は上下するでしょう。ところが街の中華屋さんと高級中華との違いは外見でわりとすぐわかりますけれど、クラシック音楽コンサートの場合はその差が見えづらいので、少々混乱するのかもしれません。

では「一般的に言ってクラシック音楽のコンサートのチケット代金は高いか安いか」これはどうでしょうか。もちろん安いに越したことはありません。財布に優しいという言葉はみな大好きだからです(仮に値段が高めであっても「コスパ」がいいと見なされれば、チケットはよく売れます)。

なんでこんなことを書いているのかというと、このところ円安と航空券の高さに加えホテル代の高さがまた苛烈で、経費が爆増中だからです。すなわち、コンサートのチケット代はかつてと同じ計算では成り立たなくなってきているということです。

円安は、インバウンド需要としては非常に有効ですね。日本はいま安いから行こうぜ、ということになって、ちょっとぐらいホテル代が高くても円安だからあまり気にせず人がドッと押し寄せる。ありがたいありがたい。しかし国内のクラシック音楽産業はというと、ユーロ、ポンド、ドルが高いと、バチくそやばいことになります。

航空券代、これがいまいくらするかご存じですか。通常の倍することもあります。ヨーロッパから日本に来る往復運賃は、コロナ前はエコノミークラス1枚あたり15万円を見ていればよかった。それがいまはどうでしょう、倍の30万円することもあります。5人のグループならその差は75万円。50人なら750万円。やばい。

ホテル代、どうでしょう。東京、京都、大阪など人気の都市部はダイナミックプライシングが利いていて激高です。コロナ前の3倍とかすることもあります。1万5000円で予約できた部屋が4万5000円する、とかですね。5人なら1泊あたり15万円、50人なら1泊あたり150万円違うってくるんですよ。10泊したら1500万円ですね。

ある旅行代理店の名物部長からは「年内はホテル代、下がらないと思っていてください。どこもめちゃくちゃ強気です。値段を上げても部屋が埋まるから」と言われました。部長、満面の笑みで言わないでくれよ。

なかなかきっつい。このままですとクラシック音楽のコンサートのチケットも今後ゆるやかに上昇していく、ということになっていくような気がします。

東京のマンション価格はどんどん上昇しており、特に都心部はまともな労働者には手が出せないほどだと言います。マンションは買ったときが一番安くてお買い得なのだ、という言葉も目にしました。クラシック音楽のチケットも、そんなことにはならないと誰が言い切れますでしょうか。

現在発売中のサヴァールのチケットに関しても、今回がひょっとすると底値、すなわちもっともお買い得かもしれません。京都公演は発売開始12分で完売したと聞いています。横浜公演、そして三鷹公演も券売はかなり好調です。完売してから後悔するのではおそい!なるべく早く、むしろいま!ご予約ください!!!

◎10月28日(土)14時 横浜公演詳細とチケット予約は:
https://www.kanagawa-ongakudo.com/d/savall2023

◎10月31日(火)19時 三鷹公演詳細とチケット予約は:
https://mitaka-sportsandculture.or.jp/geibun/wind/event/20231031/

最後は宣伝かよ、という声が聞こえてきそうだ。でも本当にチケット代が今後どんどん上昇するかもしれないんですよ?

コメント

コメント一覧 (2件)

  • いつも、いろいろな話題をご紹介頂きまして、ありがとうございます。
    さて、この記事ですが、「クラシック音楽のコンサートのチケット代金」についてとあって、読み始めたところ、途中から、「海外から招く音楽家による」という内容に限定された内容になっていることに少し違和感を感じました。以前より、海外からの音楽家によるコンサートは、チケット代が高過ぎて、ほとんど国内の音楽家によるコンサートに行っている者からすると、そちらの観点での内容も期待していたのですが。
    なお、他の方のコメントにあるように、海外でのコンサート代金は、ミラノ・スカラ座など一部を除き、格安なので、海外旅行の際は、よく聴きに行っていました。

  • 2010年代後半でしたか、カーネギーホールでボストン響のNY定期がS席相当で$80だったのを覚えています。日本のオケよりちょい高い程度でしょう。ウィーンフィルの演奏会形式ヴォツェックが$140・ベートーヴェン第九が$220(ちょい高い席)だったような。両オケの最近の来日公演、定年退職後のだるぺんには手をだすことができません。日本に呼ぶとチケット代が高くなってしまうのは理解できるのですがここまで高くなるのかなぁ、これからはもっとかぁ、と記事拝読してため息です。

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