【マニアな方向けのニュース】ハイペリオンが昨日からストリーミングサービスを開始

マニアックな方々向けの話題でごめん。ハイペリオンHyperionっていうイギリスの録音レーベルがあります。地味なカバーのCDを作り続けていてっていうと失礼なんですけれど、よく言えば頑固一徹、はやり廃りには乗らず我が道を行く系の、確固たる信念を持ったレーベルで、扱っている音楽もマニアックというか、レスリー・ハワードのリスト全作品集99枚とか、マイナーなロマン派のピアノ協奏曲集(ただいま87作目を通過)でありますとか、誰が喜ぶねん、マニアか、マニアや、っていうやつなんですよ。

アンジェラ・ヒューイットとか、スティーヴン・ハフとか、タカーチ弦楽四重奏団とか、マルク=アンドレ・アムランとか、スティーヴン・イッサーリスとか、アリーナ・イブラギモヴァとか、一般の方々には全然わからん呪文みたいな名前をならべてごめん、こういう実力派の人々のCD、もとへ、録音がずびずば出ていまして、43年の会社の歴史で2000枚を超える録音がこれまでにリリースされてきた。

ハイペリオンはストリーミングに否定的、参加しない、ということが言われていて、いやー、ないんっすよ、ストリーミング、っていう話も聞いてたんですけど、ついに、時代の流れには勝てんじゃった。ストリーミングに参戦しました。なおCD販売もダウンロード販売も続けまっせとのこと。

Le catalogue d’Hyperion disponible en streaming pour la première foisDiapason
https://www.diapasonmag.fr/a-la-une/le-catalogue-dhyperion-disponible-en-streaming-pour-la-premiere-fois-39348.html

とりあえず200枚の録音がストリーミング(スポティファイ、アップルミュージック、YouTubeミュージックなど)で聴けるようになった。徐々にその数は増えていき、全アルバムがストリーミングで聴けるようになるのは来年の春頃を予定しているという。ぜひ私が課金しているナクソス・ミュージック・ライブラリにも載っけてくださいまし。

現在ハイペリオン社を率いているのは創業者の息子さんということで、頑固さは引き継ぎつつも、柔軟な考えで生き残りも考えているということでありましょうか。ハイペリオンは4ヶ月前にユニバーサル・ミュージック・グループに買収されている、ということとも関係があることでしょう。

レコーディングなるもの、いまやラフマニノフがガツンと儲けた頃(いつの時代やねん)、あるいはカラヤンが輝かしいデジタル録音をリリースした、みたいなかつての輝きはもはやなくて、どこも苦労している。基本、みんなが聴きたいような音楽は全部撮られているっていうのもあるし。いまやアーティスト側が自分で録音してレーベルに持ち込むとか、自分がかなりの金額を負担して発売するとか、欧米でもそういうスタンスでの製作が広く行われているとも聞きます。

レコーディングはいわゆる「グッズ」でもあり、ファンにとっては推しメンたちに課金できる貴重なチャンスではあるものの、クラシック音楽のレコーディングって一般層にはなかなか響かないので、売り上げはごく一部のスーパースターソリストのもの以外は軒並み苦戦、みたいな状況になって久しいわけです。

ストリーミングもそうなんですけれど、なんかレコーディングがまた輝ける日が来ないかとも思うんですがなんかいい方法ないんですかね。

とりあえずレスリー・ハワードのリスト全作品集が聴けるようになったら右から左に全部聴いてみるね!!(ちょっと嬉しい)

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