最終日のバイロイトは長い長いスタンディングオベーションとなったようです。これは演奏がすごかったぜ!とは別の理由で、バレンボイムが登場し、名誉会員の称号を授与されたからです。リエンツィの上演とは別に式典が行われ、シモーネ・ヤングがジークフリート牧歌とトリスタンの前奏曲を指揮。ヴァルトラウト・マイヤーも参席。会場は特別な雰囲気に包まれたのでしょう。
現在83歳のバレンボイムとバイロイトとの結びつきは?バレンボイムがバイロイトに登場したのは1981年で、その後1999年まで毎年登場し、合計161公演を指揮した。これは当時史上最高の数だった、という点がまずは挙げられるわけですね。
なぜ新たに名誉会員なるものを作ったのか。これまで150年なかったことなのになぜこのタイミングなのか。不思議ですね。とはいえ、音楽祭はワーグナー本人が反ユダヤ主義だったこと、また音楽祭がかつてナチスと結びつきがあった、という、いわば負の遺産ですか、それ対する歴史的な責任がある、としていて、その意味でユダヤ人でありながら長年同音楽祭の柱となって牽引した、という点も考慮されたのではないか、と思われますね。
政治的なメッセージでもある。
なお、現在では史上最高の指揮数はティーレマンが遙かに抜いていて、202回である模様。ティーレマンがバイロイトに初めて登場したのは2000年のことなので、26年の間にその記録を積み上げていったわけです。ティーレマンはいま67でまだまだ若いので、この後も記録が伸びていく可能性が高いです。下手すると300をこえるて来るかもしれず、つまりダブルスコアでダントツ1位ということになることもあり得ます。
なおティーレマンはバレンボイムのアシスタントをしていて、1981年にバレンボイムが初めてバイロイトを振ったときにもアシスタントとしてバイロイトに連れて行ってもらっているので(当時バレンボイム38歳、ティーレマン22歳!)、バレンボイムはいわば次世代のワーグナー指揮者も育てたということになります。なおヤングもバレンボイムのアシスタントとしてバイロイトに行っていて、2人のメジャーなワーグナー指揮者をバレンボイムがいわば育てたということになり、そのうちの一人ヤングが式典で指揮したというのもまた美しい話であります。


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