2030年に引退を表明していたメトロポリタン歌劇場の総裁ピーター・ゲルブが引退を撤回しました。続投の意欲があり、求められ続ける限り続ける、引退宣言は間違いだったとのことです。
記事中に自分は自由時間を楽しむ事ができない、仕事がなければ人生はむなしいと語っていて、いわゆる仕事中毒というやつですね。仕事が人生の楽しみであると。クリエイターあるあるでしょうか。
あまりにも長く一人の人がトップを続けるのはよくないのではないかな、とはなんとなくですが私自身は思っていて、例えばサッカーの監督のように数年とかで変わっていく、というほうが、誰にとっても刺激があっていいのではないかなと考えています。そうはいっても監督が替わってうまくいくのかというといかないこともあるので、交代は交代で簡単ではないわけですけれども。
いつ身を引くのかというのは、常に考えないといけないことなんだと思います。98でなお指揮を続ける鉄人ブロムシュテット(サンフランシスコの公演はキャンセル)、90のメータ、バレンボイムなど、すごいことだと思いますけれど、自分が望む望まないに限らず、必ずいつかは舞台から降りなければならない日が来るわけですし、それが来ないことを祈りながら舞台に望む、チケットを買い続ける、というのには何かしら危うさのようなものも感じます。
歌劇場の運営が厳しいときに、いま自分が頑張ってやらねばならないという使命感があるのは当然のことかと思います。実際に若い聴衆を呼び込むことに成功しているようですし、完売している公演もある(メトロポリタン歌劇場は3800席と超巨大劇場です)。手応えは感じているのだと思いますし、オペラを支えてきた超富裕層がオペラや文化芸術といったものへの感心を失ってきている現在にあって、どうやって歌劇場を支え、持続させていくのかという点は難しい課題で、総裁が替わったからといって簡単に解決する問題でもないのだと思います。
ニューヨーク・タイムズでは「世界で最も難しい仕事」という表現がされていて、それに対してコメント欄に批判の声もありますけれど、果たしてこれからメトロポリタン歌劇場はどうなっていくのか。オペラハウスの仕事ってとても大変だろうな!というのは、いろいろな方から漏れ聞いてなんとなく想像をするところです。ストレス耐性がめちゃくちゃ強くないと務まらないことは多分間違いがないです。


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