音楽家で神経系の病気に苦しむというのはあまり聴いたことがなかったのですが、あるいは私が知らなかっただけかもしれません。ヒラリー・ハーンはこのところずっと調子が悪い。なかなか簡単には治癒しないようで、来月のミュンヘン・フィルとの公演(ツアー含む)もキャンセルしたということです。
ハーンの病気はナーブ・インジャリー=神経損傷。痛みやしびれ、脱力感、筋力低下、感覚鈍麻など様々な症状が出るということで、極めて繊細な動きが求められるヴァイオリニストにとってはとてもとてもとても困った症状であることは全く疑いがないです。
キャンセルでファンはがっかりだと思うのですが一番辛いのは弾きたくても弾けないご本人でしょう。代役はクララ・ジュミ・カンとエスター・ユーすなわち、韓国系ヴァイオリニスト2名が出演するということになります。曲はメンデルスゾーンで変更がない。アジアの躍進。進め!!「ねえ、どうして日本では韓国や中国のアーティストの評判がよくないの?」とヨーロッパやアメリカの関係者から問われることがあります。
実際に、特定の大スターを除き、アジア系の演奏家でチケットを売るのは困難なのですが、さて、皆さんはなぜか、答えることが出来ますか。残念ながら私はその答えを持っていない。
ヒラリー・ハーンの病気が早くよくなりますように。
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