グラインドボーンでオペラ上演を環境活動家が妨害

グラインドボーンというのはイギリスのロンドンではなくて、ちょっと離れた場所にあり、そこはロンドンのロイヤル・オペラとは違うオペラハウスがありまして、わりと着飾って(頑張って)オペラを観に行くというような場所、という理解でおります。私はそもそもイギリスに行ったことがないので、グラインドボーンを体験したことはありません。

着飾っていく、とか、オペラ、とか、贅沢、とかいう言葉は環境活動家を刺激しやすいのかもしれません。昨日「美術館で作品に塗料をぶちまけ、自分の手を接着させる」というニュースを目にして、なんだろうな、と思っていましたところオペラハウスにも。

つい数時間ほどまえ、グラインドボーンに環境活動家3名が現れ、上演中に立ち上がって活動をしたようです。具体的には客席の最前列に立ちはだかってクラッカーをパーン!とやって、ホーンをプー!と鳴らし何かを叫んだようです。事件が起こったのは現地時間の17:30ごろとあります。開演時刻は16:50だったようなので(おや面白い時間に始まるんだな)、開演からおよそ40分してその妨害行為が発生したようです。これによってオペラはおよそ20分間中断した。

Just Stop Oil protesters interrupt opera at Glyndebourne festival The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2023/jun/15/just-stop-oil-protesters-glyndebourne-opera-festival

この活動をしたのはジャスト・ストップ・オイルと名付けられた団体のようで、ツイッターで自分たちの活動について報告している。

美術館では美術品を破壊する(塗料をぶちまける)、コンサートやオペラでは音楽をぶちこわす(クラッカーやホーンなど異質な音を鳴らす)、ということで耳目を集めるということですか。

この3人はすぐに係員により「平和的に」退出させられ、警察に報告はされたものの警察が呼ばれることはなかった(逮捕されなかった)そうです。なお同じ日にこの団体はロンドンでデモも行っていて、何人かが逮捕されているとか。

上演されていたオペラはプーランクの《カルメル会修道女の対話》(ちなみに指揮はロビン・ティツィアーティ)。この作品は信仰に生きる16人の修道女たちが革命に従わなかったため次々とギロチンにかけられ死んでいく。最後の一人もギロチンを模した音と共にこの世からいなくなるという、わりとシリアスで恐怖度の高めな作品です。この作品を選んだのは何か理由があるのか。人間もオイル信仰をやめないとこの世にいられなくなるぞ、という事を主張したいとか?

電車は意図的な妨害によって遅延が発生すると損害賠償が請求されることもあるようですけれど、オペラやコンサートでのこのような意図的妨害は同時に多数の人たちの時間を奪うという点では同じ。このような行動に対して損害賠償を請求するというのは出来ないのでしょうか。

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