オライオン弦楽四重奏団が解散

© Lois Greenfield

オリオン座のことなんですよ。

オリオンのことを英語ではオライオンと言います。では沖縄のオリオンビールは、英語で注文するときは「オライオン一丁!」って頼むのか。多分そうだろう。オリオンって言うとオリオン座。オライオン弦楽四重奏団は知らなくてもオリオン座は日本人なら誰でも知っている星座であろう。空がない東京でも見られる星座の一つ。智恵子は東京に空が無いといふ。私もそうだと思う。ほんとの空が見たい。本当にそうだね。

オライオン弦楽四重奏団はアメリカで1987年に結成され、1993年にヴィオラ奏者が一度変更になっただけでその後これまで29年間ずっと同じメンバーで活動してきたという希有な弦楽四重奏団であります(弦楽四重奏団はメンバー同士がめちゃくちゃに不仲なこともあります)。パブロ・カザルス、ルドルフとピーター・ゼルキン、スターン、フライシャー、タッシ(懐かしい)、アンドラーシュ・シフなどと共演をしてきた、いわゆる名団体であります。楽器の大きさが身長差にも現れているというユニークな団体であります(上写真を参照のこと)。

そんなオライオン弦楽四重奏団が解散へ。2024年のリンカーンセンターでのコンサートを持って解散、引退することが発表されました。と聞いて公式サイトに行ってきたんですけど、2017年か18年ぐらいから更新されていないようだ。もう疲れっちまったんだね・・・。お疲れ様でした。

https://www.thestrad.com/news/orion-quartet-announces-retirement/15877.article

解散後メンバーはそれぞれ大学や音楽院などでの指導を続ける。ハッピーリタイアメントとは言え、教育は続ける。素晴らしいことだ。有能な若者がドンドコ生まれて行き、弦楽四重奏の新たな地平を開いて行くことを望みたい。

それにしてもすべての団体には終わりがあります。特に弦楽四重奏には終わりがある。ジュリアード弦楽四重奏団みたいにメンバー交代を続けながら活動を続けるところは例外中の例外です。オーケストラはメンバー交代しながら続いているのだから、弦楽四重奏団だってメンバー交代しながらどんどん続けていってもいいんではないかとも思うんですけれど、オーケストラよりも弦楽四重奏の方が「個」が立つので、交代がうまく行かない、ずっと続けていくのが難しいっていうことなのかもしれませんね。

ベートーヴェンの12番、どうぞ。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 情報有難うございます! たまたまニューヨークにいましたので最終公演を聴いてきました。チケット400ドルもしましたが、演奏は素晴らしかったです。
    会場は超満員で、スタンディングオベーションで盛り上がっていました。

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