完成に26年、全29時間かかるシュトックハウゼンのオペラ《光》をマキシム・パスカルがついに全7作制覇

マキシム・パスカルという指揮者はご存じですか。特に現代音楽界隈に棲息される皆様におかれましては無視できぬ天才児というイメージでしょうか(40過ぎてますけど)。

先日もザルツブルクでウィーン・フィルを振ってメシアンの《アッシジの聖フランチェスコ》をやっていましたね。巨大かつ複雑な作品で、よくこれをウィーン・フィルがOKしたものだよ、とため息をついていたところが、もっととんでもないことをやっていますやんか。

シュトックハウゼンのオペラ、《光》。なんと完結。

ほとんどの方は「なんのこっちゃ」だと思うのでご説明しますね。シュトックハウゼンという1928年にうまれて2007年に亡くなったドイツの現代作曲家がいました。で、この方が1977年から2003年まで26年かけて全29時間、7作のオペラ《光》を書いたんですね。それぞれタイトルが、「月曜」から「日曜」まで、曜日になっているんですね。その「水曜日」がいまベルリン・ドイツ・オペラで上演中でして、なんと8年かけ、ほぼ毎年一作ずつ上演していたのがついに完結!!これまでも世界のオペラハウスが単発で上演はしていましたが、一人の指揮者、そして一つのプロジェクト(パスカル率いるル・バルコンが核となっていた)がコンプリートしたことはかつてなかった!!

すなわち、8000m級の山全てを制覇した、ぐらいの偉業かと。とんでもないことをやっています。ぶっ飛びすぎています。天才児すげえ。やばー!ありとあらゆる賛辞を投げつけていいと思います。山登り同様、一人ではできることではありません。多額の資金が必要ですから、資金集め、賛同者をあつめるところからの作業が必要で、単なる指揮者でゴワス、というレベルははるかに超越して、超人的な作業量、熱意、才能、ひとたらしの才、エゴ、その他すべてをぶち込んでぐらぐらと鉄鍋で沸騰させ、むしろ空だき!すわ大火事!!!!ぐらいすごいことです。

よくわからんけど、すごいっていいたんだろうねhaha…て遠い目していただければOK。Haa….

水曜はヘリコプター4機も飛ぶ(※事前撮影ですご安心ください)さらに理解不能な内容になっておりますので、最後にもってきたのは正しいことなのかもしれません。そもそもオペラの内容自体が理解困難で、3人の中心人物が誕生、争い、和解、旅、誘惑、死、結合・再生みたいなことを、曜日ごとに延々繰り広げる宇宙劇、という解説もあり。言ってみたら手塚治虫の《火の鳥》みたいな感じですか。

「スーパー・フォルメル」と呼ばれるわずか19小節の設計図をもとにこの29時間があるらしいですけれど、で、果たしてこのオペラ自体が面白いのかどうかという点では皆様の解釈や体力や精神力やマゾ度とご相談なんですが、少なくともドイツの新聞の皆様におかれましては、評が割れているようです。ともかくマキシム・パスカルとル・バルコンは世界ほかに例を見ない事実を成し遂げた、ということになります。

なお、マキシム・パスカルはシュトックハウゼン生誕100年の2028年に全7作を一週間で連続上演することを企画している。7日間で本当に休日なくぶっ通しでできるのか!パスカルならやりかねない!!

だめだと思ったら撤退する勇気も必要です(なぜかもたげる老婆心)

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