メトロポリタン歌劇場とウィーン楽友協会を襲っているサイバー攻撃の話

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場はこの1週間ほどサイバー攻撃を受けてサイトがダウンしたままです。いまメトロポリタン歌劇場のサイトにアクセスすると、以下のメンテナンス中ページに飛ばされるようになっています(上画像)。

http://maintenance.metoperafamily.org/

すぐに復旧するかと思いきやいつまでたっても直らない。これはよほど攻撃が強烈なのか、なにかほかの理由があるのか。

いずれにせよ巨額のお金が動くサイトなだけに(ちなみにチケット販売ページだけなく、給与システムとかそちらの方も動いていないようで、給与とかギャラなんかも支払うことができない状況の模様。つまりなかなかシリアス)、復旧には万全を期さねばならぬ、とかそういうこともあるでしょう。

メトロポリタン歌劇場では年末のこの時期、一日あたり20万ドル(約2750万円)の売り上げがあるのが通常という事のようなので10日落ちたらそれだけで機会損失は2億7500万円。相当な大打撃です。

https://www.ludwig-van.com/main/2022/12/12/met-opera-cyberattack-may-be-more-severe-than-we-thought/

個人情報が流出したり、顧客情報が破損したり、なんていうことがあってはならないし、今後の決済や取引に影響があってもならないし、ということだと思うのですが、ショーマストゴーオンでありまして、そんななかでもショーは続いております。明日も《アイーダ》が、明後日は《リゴレット》が予定されていて、それらはどのように実行されるのか。

なんと(メトロポリタン歌劇場が含まれる)リンカーンセンターのウェブサイトを通じてチケットが発売されている。さすがに座席指定なんかは無理で、「全員50ドル、先着順に案内係が席にご案内します」という対応法になっている。このご時世、並んで順番に入って行くとか、なかなか強烈なインパクトのアナログな対応法ですが、これしかなかったということでしょう。デジタル時代ならではの不安ですねビッグブラザー。

日本の劇場のシステムも、同様の事が起こった場合にどういう事になるのか、我々も頭の片隅に入れておき、対応策について思いを巡らしておくべきでしょう。

ちなみにウィーン楽友協会のサイトも落ちたままになっておりまして、こちらもサイバー攻撃に遭っている模様。トップページに落ちてますねんと表示される。ただ、調べた感じではウェブサイトだけが?やられているようで、ほかのシステムなんかは動いていると。なので電話での注文は出来る模様。こちらは電話やメールで問い合わせすれば大丈夫!よかった!(よくない)

サイバー攻撃がなぜ起きたのか、どのように復旧されたのか、すべてが終わった後に発表があるのではないか、と想像しています。注視したい。それにしても復旧に向け何日も働いていニューヨークとウィーンの語関係者の皆様、どうぞ頑張ってください!!

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