中国でピアノが売れない話、の続き

ピアノが売れなくなっている、という話を先日ご紹介したんですけれど、今年1月にこういう記事も出ていたようです。「中国の中流家庭がピアノを手放している」というニュース。

それによりますと、中国で決定的なピアノブームが起こったのは2008年で、なぜかというと、この年から高校受験でピアノの何かの試験で10級を獲得すると「追加点が貰える」ということになったようなんですよ。それによって一気に全土でピアノを子どもに習わせる親が増えた、ということなんだそうです。なるほど。受験に直結したら買いますわな。ちょっと成績があれでも、ピアノで芸術点が加算されて合格、という子もいたのだとか。

というわけでかどうか、ともかく全国平均で毎年40万台のピアノが売れ、4000万人がピアノのレッスンを受けていたということなのだそうです。ところが2018年にその制度が廃止され一気に人々の関心が薄れていった、ということがかかれています。ほんとうか。だとすると実に、、、、分かりやすい!

加えて、ピアノの練習をしたがらない子どもと親との対立、才能がなかった場合見返りが保証されないし費用もかかるということなどで中流家庭の関心が急速に失われていったと。さらにはコロナで実店舗に買いに来る人がいなくなった、ということも影響しているみたいなこともかかれていますが、それもなんとなくわかるような気がする。

フリマアプリでも大量にピアノが出品されているが売れていない、在庫が大量にだぶついている、とあります。売られている理由に「子どもがもう習う気がない」と書かれていることが多いと。わかるわ。表示価格は1万元を超えない(20万円ぐらい)、最安値は4000元(8.3万円ぐらい)とあって、激安やなほんまに。

ところが続きもあって、影響を受けているのはおもに中国製のアナログピアノ市場のようで、高級ピアノメーカー、具体的にはスタインウェイは影響を受けていないとあります。2021年は前年度比20.4%の売上増だったと。さらには低価格のデジタルピアノも人気を集め、大きなシェアを占めるようになっている、ともあります。

ピアノをほいっと買えるような富裕層はスタインウェイを求め、そうでない中流家庭はデジタルへ、ということですねきっと。やっぱりピアノはうるさいし場所を取るし重いし、中古でも売れないという、先行投資としてハイリスクだということですやっぱり。そういうものは、売れなくなっているということでしょう。

モチベーションのひとつが受験だったというのも、なんとなくというか、かなりスッと受け入れられる(わかる)ような気がする。入試に必死になる親の気持ちはとてもよくわかりますよやっぱり。うちの子もこれからお受験するんだろうか、とかいっつも考えますし、塾の値段の高さにはひっくり返りますし。

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