サティのヴェクサシオンがレコードに

話題先行の曲シリーズ(そんなんがあるんか)。

エリック・サティという奇人作曲家が19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスにいまして、有名なのではジュ・トゥ・ヴとかですか。ピアノの小品が多くて、楽譜から小節線を取っ払ってみたり、調号をなくしてみたり、めちゃくちゃなタイトルをつけたりと、わりと自由でした。生き方も自由で、傘を大量に集めたり、白っぽい食べ物しか食べないといってみたり、提示されたギャラを値切ってみたりと、わけがわからない人生を送りました。もちろん貧乏だった。

で、そのサティの書いた《ヴェクサシオン》いらだち、みたいな意味のタイトルの作品はわずかに1ページしかないのですが、840回繰り返して弾いてねという作曲者の指示があって、演奏するのに20時間近くとかかかります。

作曲者本人も当然840回なんて弾いていませんし、まあ軽いギャグというか、滑っている感じのようにも思われますが、それに真面目に取り組んだ人も世の中わりといまして、時々、イベントでやっているように思います。コロナの時にイゴール・レヴィットが配信していました(途中で飽きた、と本人も語っています)。

それなのに、このたび改めて今年1月3~4日にかけ一発録り840回セッション録音をまたやったということでして懲りない男だ。15時間29分の録音がLP(レコード)としてリリースされました。え、全曲か!と思うのですが1枚組。厳選された30回分の繰り返しのみ。なあーんだ。そうがっかりするなよ兄弟。840セットしか販売されない限定版(€294,99=52,00円ぐらいもする!)を買うと、全曲へのアクセスができる特別なブレスレットが付いてくるんだぜ。

解釈はあとからついてくる。

この音楽を、もの凄い後の人間が聴いたらどう感じるんでしょうか。はたまた宇宙人が聞いたらどう思うのだろうか。ボイジャーがグレン・グールドのバッハを積んでいますけれど、それを宇宙人が聴いたらどう思うのか。

ちたまの人は面白いことをかんがえるのう、などと面白がって貰えるといいのですが。

コメント

コメントする