イングリッシュ・ナショナル・オペラの助成金カット問題はまだまだ続く。マンチェスターに移転することを認めなければ助成金はゼロ、移転を認めても半減以下、というなかなかにワイルドな決定がアーツ・カウンシルによって一方的に決められてしまった案件ですが(イングリッシュ・ナショナル・オペラ側がこの決定を知ったのは発表の前日という話もあり)、その後もドタバタは続いております。
ブリン・ターフェルの提起した決定反対の署名運動には現在53000人を超す人たちが賛同していて、その数はまだ増え続けています。
イングリッシュ・ナショナル・オペラは、どこへ行く。応へて曰く、どこへも行かんと。虞や虞や汝を如何せん、と。イングリッシュ・ナショナル・オペラのトップが、マンチェスターに移転するぐらいならもうぜんぶやめ、ENOは解散、と爆弾発言をしました。「削減の撤回か追加資金がない限りENOはおしまいだ」
https://www.thestage.co.uk/news/eno-will-close-in-april-if-relocation-plan-not-flattened-chair-warns
これはいわゆるポジショントークと呼ばれるやつですけれど、そのやるせない気持ちもわかるといえばわかりますね。徐々にカットではなくいきなり全カットですもんね。「600人いる従業員は職を失います」と爆弾はこのように続くわけです。
いずれにせよ、熱心にあちこちに働きかけていることは間違いがなく、このような活動の結果かどうかはわかりませんけれど、文化庁長官とのミーティングが行われていて、その結果が待たれる。
トップを任されるということは、通常時の運営の上手さに加えて、このような危機的な時において組織を守る効果的な言動を求められるということでもあります。爆弾発言をすれば批判もされるし、いやな思いもいっぱいするでしょうけれど、組織のため戦うということもまた必要なことなのであります。
なかなか出来ることではないな、自分ならこんな強気な発言は無理かも、とかつい弱気になってしまうんですよ。子供には立派な大人になって欲しい。だから昨日から、子供新聞をとることにしたよ。さっそく新聞で得た知識を披露してくれて心強いことだ。
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