バレンボイムのピアノ・リサイタルの代役は・・・3名

巨匠が出てくるはずのコンサートのチケットをあなたは持っていた。実際に会場に足を運んだら巨匠は体調不良でキャンセル、代わりに3名の若者が出てきたら・・・・・・。あなたならどうします?もちろん希望するならチケットのキャンセル(返金)は可能だ。キャンセルは数日前のことで、もちろんメールで告知はされていたことと思うけれど、もしも知らずにいきなり会場で知らされたらちょっと動揺しますよね。

こういう時に絶対的に正しい対処法を、秘密の処方箋をお教えいたしたい。

正解:出てきた3名のピアニストたちを熱烈に賛美します。生暖かい拍手で迎えるだなんてとんでもないことだ。バチンバチンバチンと、手が壊れるぐらい強く、速く、長く拍手を送り、ブラーボー!!と大声で叫びます。

なんや、君はサクラか?

はい、そうです、サクラです、日本の国花はサクラです。だからサクラしてます。菊も日本の国の花なんでそこんところよろしく。

文句を言うやつがいたら、それぐらい言い返してほしい。

昨夜、巨匠の代わりに推薦で出てきた音楽家、バレンボイムがキャンセルして代わりに演奏したピアニストたち3名は、今後の活躍が期待される人たち、つまり「チャンス」として登場してきたのであって、バッキバキに緊張する大舞台だったわけです。そこで夢をつかめるかつかめないか、は大きくその人の将来を左右する。なので、チャンスをつかめ!!這い上がれ!と熱烈に応援するのが正しいのです。

Daniel Barenboim Steps Back from Germany’s Ruhr Piano Festival- The Violin Channel
https://theviolinchannel.com/daniel-barenboim-steps-back-from-ruhr-piano-festival/

バレンボイムに代わって昨夜、ドイツの重要な音楽祭の一つ、ルール・ピアノ音楽祭に出演してベートーヴェンの最後のピアノソナタ3曲を1曲ずつ演奏したのは、バレンボイムがバレンボイム=サイード・アカデミーのマスタークラスで教えた3名。主催者も書いてる通り「これは当音楽祭が一貫して若いピアニストを支援してきたその象徴である」。

巨匠は生まれながらに巨匠なのではありません。ダイヤモンドの原石が、場数を踏んで、偉大な音楽家たちと共演を重ねていくことで巨匠になるのです。巨匠は育つもんなの。聴衆と一緒になって育てるものなの。

だから、こうして突如として知らぬ若者が出てきたら、ちっ、つまんねえ、とか、損した、とか思っては絶対にいけない。若い芽をつむ行為は、あなたの将来もぶっ潰す。だから盛大に盛り上げてほしい。巨匠たちもかつて、こうやって世に出てきたのだから。

ただしプレッシャーに負けてズタボロとかいうことになった場合だけは、さすがに盛り上げ方を考えたい。そういう時に求められるのは暖かい拍手と微笑み。「ええんやで」「次頑張れ」という気持ち。許し。そう、ちょっと偉そうに響くけど、許し。それこそがあなた自身をも成長させる鍵なのである。どやしつけることが何を生み出すか。罵倒して得られるのは何か。あなたのちっぽけで空虚な満足感と、他人からの軽蔑のまなざしだけである。

そう、若者をどんどん世に送り出し、どんどん機会を与え、成長を期待する。それが我々おっさんより上の世代に求められる必須の気質なのです。

若者たちに幸あれ!!

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