環境活動家への対応。アントニ・ヴィットの場合

コンサートホールに現れる環境活動家たちのやり方はまずい。とにかくまずい。過激にやらないと注目されないという気持ちの現れなのでしょうけれど、単純に対立をあおるだけなのように感じます。繰り返すうちに人々は気がつく、などと考えているのでしょうか。もう少しまともなやりかたがないのか。

どうしてやめないのか、という事を考えてもしょうがなくて、彼らが自分たちのコンサートに姿を現さないことを願うのみ、なのでしょうか?先週日曜日はポーランドに現れたようです。

アントニ・ヴィットはワルシャワ国立フィルの監督を務めた人物で、ワルシャワのフィルハーモニーで80歳&キャリア60年の記念コンサートを指揮していた最中だった。曲はモーツァルトの退館ミサ曲。おっと、戴冠ミサ曲。

環境活動家達が2人、指揮台の前に立つと、横断幕をかかげて叫び始めた。ところ、ヴィットは指揮をしながらその横断幕を二人からひったくると地面にたたきつけ、二人を無視して演奏を続けたのでした。現場に居合わせた人の撮影した動画:

活動家からすると「偏狭な老人が切れた」という風に映るのかもしれない。しかし大方の反応としては「わかる」「支持する」ぐらいの感じではなかったでしょうか。同じようなことが起こったとき、指揮者はどうするか。係員が来るまで音楽を止めて待つ、というパターンが大抵のケースだったと思いますね。ユロフスキは活動家達に時間を与えて話をさせた。そして今回のパターン。横断幕をひったくりそのまま無視して続ける。

いずれにせよ、しらける。

環境を大切にしたいという気持ちはわかる。しかしお金を払って音楽を聴きにきている人たちにしてみれば、せっかくお金を払って気持ちよく過ごせるはずの時間が妨害によって台無し。訴えられても不思議ではないですが、実際だれかに訴えられたらどうなるのだろうか。弁護士ドットコムに尋ねてみたいものだ。

こういう形での抗議は絶対にやめていただきたいと心から願うものです。日本でも起こらないなんて誰が言えるのか。主催者は常に対応策を考えなければなりません。出来ることは限られるのかもしれませんけれど。

活動家はどうぞ速やかにご戴冠(退館)ください。

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