変わりつつある台風と公演中止の判断

台風、みなさまご無事だったでしょうか。

「24時間戦えますか」「5時から男のグロンサン」。こういうCMが昔はありました。昭和の頃はいろいろ根性論が流行っていたというか、ど根性が当然、といった風潮もあったように思われます。

コンサートにおいても、台風が来ようが雪が降ろうが雨が降ろうが槍が降ろうが、お客様におかれましては這ってでも会場へお越しください、主催者もなにがなんでもやりますんで。みたいな風潮があったように感じています。電車が止まった?じゃあバスで。バスもとまった?でも徒歩で来られる方、おられますよね。みたいな。

私の経験ですと、雪がドカドカ降って来場者30名っていうのがありましたし、台風が来ていてもやった、そういうのもあります。当然、「やるのかやらないのかやめるだろうやめなさい」というお電話もジャンジャンかかってくるのですが、「やります」と一律お答えする、そういう時代がございました。

しかし最近では台風が来そうということになれば「計画運休」という言葉が用いられる通り、事前に告知をして電車も休んでしまいますし、そもそも無理して外には出ない、そういう風潮になっています。コンサートも時代の流れに取り残されるわけにはいきません。台風が来て電車がとまるようだということになれば、早々と中止を宣言したほうがよいと思われます。

安全第一というのはとても大事なことです。しかしこれは公演を主催する側には試練であります。コロナ禍で体力がなくなっているところにさらなる試練が立ちはだかっているということになります。中止なら、生まれるのは損金だけですから。徹底的に赤字なんですぅ!!・・・あああああ!!

せめて赤字を少なくするため台風の時期にはそのリスクがあるということを見越してコンサート保険に入っておくなど、できるだけ赤字を減らすようあらかじめ対策が必要なようにも感じられます。雪の時期も同様かなと思われます。

日本では原材料の高騰や為替レートによってインフレ気味になってきていて、しかし年収は上がらず、生活が苦しくなっているとはここのところよく言われることです。

クラシック音楽のコンサートにおいても、今は強烈な円安なのでユーロ建てやドル建て契約の場合は当然のこと収入を圧迫しますし、天候による中止リスクも織り込んで資金計画を立てざるをえないとなれば、それに基づきチケット代金を高くせざるを得ないということになります。

頭が痛いのであります。やさしい麦茶を飲んでせめて気持ちだけでも落ち着けたい。

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