ヴェネツィアの名門、フェニーチェ劇場の新音楽監督就任取り消しを求めオーケストラが無期限ストライキを発動

フェニーチェ、という言葉の甘美さよ、と思うのは実になんというか、うむ、なんなの?はてな?というのが一般的な感じですが、水の都ヴェネツィアにあるオペラハウスのことで、ミラノにあるスカラ座とか、ナポリのサンカルロ劇場とか、ローマ歌劇場とかそういうオペラウスと並ぶイタリアを代表する名門なわけですね。大阪の方面には同じ名前がついたホールもありますから、単語をご存じの方もおられるでしょう。

フェニーチェ、イタリア後で不死鳥を意味しますが、火事によっておじゃんになった劇場が不死鳥の如くよみがえった!(1773年の火事なんで、250年以上前の話)ということで、不死鳥劇場と呼ばれるようになった。火事はさらに1836、1996と合計3度あったが、いずれも再建された。不死鳥である!その生き血を飲むと・・・・・・ゴクリ。

その由緒正しい劇場の音楽監督、これまでインバルなどが務めてきた職を35歳の女性指揮者ベアトリーチェ・ベネツィが就任する、今年10月から2030年まで、と発表されると、、、、オーケストラから激しい抗議の声があがった。

なぜか。

オタリアの極右政党とあまりにも近いこと、音楽家たちには事前に知らされずニュースを見て知ったこと、さらにはヴェネツィの経歴にも問題があり、そもそもフェニーチェ劇場で指揮をしたことがない、彼女の就任発表に伴いチケットの払い戻しも発生している。として猛抗議。取り消しを求めて公開書簡も出され、その後どうやら話し合いがもたれたようですが、満足できるものではなかったようで、オーケストラを含め劇場で働く人たちが無期限ストライキを発動することを決定したようです。

日本ではストライキをすると、した方に眉をひそめるという現象が起こりがちです。人様に迷惑をかけるなんて、という感じと思いますけれど、イタリアではきっとそうではない。なお、韓国ではけっこうストライキがあるそうですが、中国ではストライキはないそうです。なるほど。

このあとフェニーチェ劇場側はどういう反応を示すのか。折れて取り消しとなるのか、あるいはそのまま変更無しでつきすすむのか。そもそもご本人は今どういう気持ちなのだろうか、と思いますが、これまでにも似たようなキャンセル騒動もあったようなので、もしかすると悠然と構えている、という感じなのかも、と思ったりもしないでもないですが(どっち)、いい仕事をすれば人は黙るとは思いますが、無期限ストライキ、とあっては、そもそも仕事にまでたどり着けないかもしれません。

最終的にどうなるにせよ、平行線をたどってずるずると長引く、ということにだけはならないといいのですが。

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