ドイツ人ヴァイオリニスト、母のおよび仲間のオーケストラ奏者の毒殺未遂容疑で告発される

ドイツのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン交響楽団で演奏する62歳のヴァイオリニストが告発されました。昨年9月に老人養護施設で暮らす93歳の母親の食べ物に殺鼠剤を混ぜ毒殺しようとした、また同じ月に、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン交響楽団のツアー中にやはり同じ毒をガーリックソースに入れ、男性1名および女性1名を殺害しようとした、というもの。

Violinist Charged With Attempted Murder Through Poisoning The Violin Channel
https://www.theviolinchannel.com/violinist-charged-with-attempted-murder-through-poisoning/

3名とも死にはいたらなかったものの、この被告から提供された食べものによって一時瀕死の重傷に陥った。容疑者は2023年1月から拘留されており、最近になってハノーファーの地方裁判所で裁判が始まった。本人は「最愛の母や親友たちを殺そうなどしたわけではない」と容疑を否認している。

これが事実だったとすると恐ろしいことだ。

ツアーでは移動中にみんながお菓子とかスナックを買ってきて回して食べ合うというのはよく見られる光景です。私も先月、ドイツのオーケストラご一行様のツアーバスに乗っていたのですが、「これ食べなよ」とオケの奏者からキットカットの抹茶味とか日本のレアお菓子なんかがどんどん回ってきて、君ら日本でしかこれ食べられないんだから、私は日本でいくらでも食べられるから、とも思ったのですが、その善意に感謝してありがたくいただきました。あ、もう、お腹いっぱいです。大丈夫です(大丈夫ですは意味が通じにくいのでやめましょう)。

こういうところにこっそり毒が入っていても絶対に気がつかないよね。キットカットとかは個別包装だし、自分で開ければまず大丈夫なんですけど「これさっきのサービスエリアで買ったのよ、どうぞ」ってほかほかの毒まんじゅうとかを渡されたら、もうどうしようもない。

またコンサートホールの裏、すなわち楽屋まわりではケータリングと呼ばれる軽食などが提供されることがよくあります。いわゆるお客様やご関係者からの差し入れというものもけっこうあって、地元のおいしいおやつであったり軽食であったりフルーツであったり、そういうものが「みなさんでどうぞ」つってテーブルの上に並べられることがあるんです。

そういう所にこっそりと誰知れず毒が盛られたら恐ろしいですね。仲間の演奏家、あるいは家族であれば疑うことなどしませんからがっつり食べちゃうような気がします。

悪意がないにしても、いまのような暑い季節になると食中毒もわりと怖かったりします。「みなさんでどうぞ」とお手製のおにぎりの差し入れなんかがあったらどうするか(最近は聞きませんが昔はあったと聞きます)。これはお気持ちは大変ありがたく、120%の善意であるとは理解するのですが、食べずに破棄せざるをえないこともあります。

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