ロイヤル・オペラで12歳の少年にブーイング

昨日、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで、ヘンデル《アルチーナ》上演中に事故。12歳の少年がアリアを歌っている最中に客席からブーイング。

rubbish!「ゴミ」と叫んだ男性がいた模様。しかも周囲の制止を振り切って何度も。叫んだ男性はロイヤル・オペラ・ハウスに特定され、永久に入場禁止となったとのこと。劇場の当該ツイート:

劇場の素早い行動が素晴らしい。

ブーイングをするという行為は、私も当然やったことはないし、日本の劇場ではめったに起こらないかと思います(プロレスでヒール役が大活躍しちゃったときとかぐらい?)。日本は努力を賞賛する文化なので、大変な努力して舞台に立っている人に対して罵声を浴びせるということに関する心理的なハードルが高いというのもその理由としてあるでしょう。

ただ、子供に向かってのブーイングはさすがにないだろう、あまりにも下品、ということでこれはイギリスでも物議を醸している模様。BBCにも採り上げられていて、チケット代を払ったからと言って何をしてもいいというわけではない、といったコメントが紹介されていたりします。

https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-63566862

そもそもブーイングっていうもの自体がどうなのっていうのもありますよね。ブーイングで得られるものってなんですか。「言ってやった!」っていう哀れな自己満足だけじゃないですか。満たされるのは「俺は詳しい、人よりも判っている」というちっぽけな承認欲求だけじゃないですかね。周りは白けるし、もはや今のご時世、劇場でのブーイングは不要。100%やめるべき。ブーイングしていいのはこれ見よがしの悪役が出てきてやりたい放題している時ぐらいじゃないですか。

観客は少年に対して熱烈に拍手と声援を送ることで少年を支持。実際にロイヤル・オペラ・ハウスにいた方の動画。

親じゃなくても2度泣きする。1回目は心ない罵声を浴びせられた事に対して。2回目はこの声援に対して。

少年の未来に幸あれ。

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