マンツーマンでのレッスンは辞めるべきか

© Shadowssettle (CC BY-SA 4.0)

音楽の勉強ではマンツーマンつまり1対1でレッスンをするというのがこれまで行われてきた基本的なスタイルでした。しかしそれはもしかすると辞めるべき時に来ているのかもしれません。

ロンドンの王立音楽大学というと、世界的にも重要な学校の一つで、ホルストやヴォーン・ウィリアムズ、ブリテンなどが卒業生だというとなるほど!と合点がいくでしょうか。だれこの三人?という方は「惑星」という音楽を書いた人がホルストだ、というとなるほど!と合点がいくでしょうか。それでも判らないという方は「オペラ座の怪人」を作曲したアンドルー・ロイド・ウェバーも卒業生というと、ほーさよか!と合点がいくでしょうか。

それでも判らない人は・・・。まあ有名な学校なんだなぐらいに思って頂けてばOK。

この学校がこのところ揺れていまして、昨年は性的暴行でヤン・レプコが解雇され、つい先日は弦楽器の学部長を20年務めてきたマーク・メッセンジャーが虐待や不正行為で停職処分といったことがおこっている。メッセンジャーの公式な停職の理由は「個人的な理由」だそうです。

このような問題を受けて、そのアンドルー・ロイド・ウェバーの弟のチェリスト、ジュリアン・ロイド・ウェバーが(この兄弟とその父もこの学校の卒業生)少なくとも3人ひと組でのレッスンをすべきと発言しました。そのほうがお互いの上達ぶりをみて学べるし、教師からもより多くを学ぶことができるし、教師側は説明責任を果たすことができる。少なくとも誰にとっても不利なことではない、と。

Calls to end one-to-one tuition after misconduct claim at Royal College of Music – The Guardian

なんせ密室プラス1対1というのがとても良くないのでしょう。音楽のレッスンは学校のみならず教師の自宅で行われることもしばしばあります。私自身そういう環境で学びましたし、特に問題はなかった。たいていは問題がないのだと思いますが、絶対というわけではない。誰も見ていないところだとよくない事は起こる、必ず起こる。私の場合は幸いにして何も問題がなかったですが、セクハラやパワハラ的な話を聞くこともありましたし、あの先生とあの子は付き合っている、といった噂が流れることもありました。男は男が教える、女は女が教える、とすればいいのかというと、それでも問題が起こっているので、性別は関係がないですね。

3人ひと組となると、レッスンの時間が延びるし、もしかすると教師のレッスン料も減るなんていうことがありますでしょうか。現状マンツーマンだから高額(音大教授のレッスン料は一時間1.5万円~3万円ぐらいが相場だと思います。昔と変わっていなければ)のところ、さすがに同じ値段は取れないような気もします。3分の1など?そうすると3倍の時間を教えて同じ料金ということになるのでしょうか。

収入が減じるのはよくないことですが、子供の安全はそれより優先すべきことでもあります。レッスンのあり方も今後変わっていくべきなのかもしれない。

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