偉大すぎる誰かの後を継ぐというのは、とても勇気のいることです。偉大な創設者そして長く率いた人物の後任を引き受ける、これはとても恐ろしいことです。なぜなら、その偉大な人物の偉大さを”これでもか”というほど知っている人たちの集団に飛び込むわけですから。
どして?とおっしゃる方のため簡潔に申しましょう。「比べられる」んですよ。比較されちゃうわけ。
「マイケル・ティルソン・トーマス(以下MTTと略します)はこうだった」
「MTTはこういった」
「MTTはここはこう振った」
「こんなときMTTはこうした」
「それに比べてこのNEWフェイスは・・・」
「OMG(オーマイガッ)!!」
云々。
いやー、これ、四面楚歌っていうか、袋叩きの刑の可能性ありますやん。いやむしろ、ずたずたにされる可能性がめちゃ高い、超リスクが高い選択ですやん。虎穴に入らずんば虎子を得ずというやつですか。そのリスクをとって、あえて虎に吠えられに行く、その勇気をなによりも称えたいと思います(偉そうで申し訳ございません)。
ステファヌ・ドゥネーヴ、フランスからお越しの50歳、MTTの後を継いで、MTTが1987年に設立しずっと率いたニュー・ワールド交響楽団(フロリダのユースオーケストラです)の芸術監督に!!
ひゅーひゅー。
MTTは重い病気なので芸術監督の職を降りました。じゃあどうする?解散するか?しない。であれば、誰かが後を継がなければならないのです。そう、誰かが。
ニューワールド交響楽団の内部で会議、打ち合わせ、議論、紛糾、つかみ合いの喧嘩、飛び交う怒号、ゆすり、たかり、欠席裁判、断罪のマリアなんかを経て(盛りすぎ)、この人に頼もっか、ということになって、推薦され、打診を受けたんだろうと推察するわけです。
お悩みになったと思いますね。ステファンさんも。これ受けるべきか?断るべきか?NTT・・・もとへ、MTTの後継なんて私に務まるのか?すでにかなり忙しいのに、というのもあったと思います。セントルイス交響楽団の音楽監督だしブリュッセル・フィルの首席指揮者だし、フィラデルフィア管弦楽団の首席客演指揮者だし、オランダ放送フィルの首席客演指揮者にもなるし・・・・。
しかし、そこで受けると判断されたのは本当に素晴らしいことだ。これは義務であると語っているそうです。
ズタズタにされる?そんなん誰が決めましたか。もしかしたら猫なで声でニャンニャンニャンとすり寄って来るかも知らんやん。最初は吠えられても気がついたらニャンニャンニャンとすり寄って来るかもしらんし、しばらくは噛みつかれても気がつけば(略)。
あかんかったらすぐやめたらええんですよ。行動なきところに成功の可能性もなしですね。やってもみないのに、だめだときめるのはだめ。まずはやってみなはれ、それこそが明るい未来を作るのであります。
や、勇気をもらいました。私もやってみようと思います!!!
まずは何をするか考えましょう(そこからか)
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