ベートーヴェンの弦楽四重奏スケッチ2600万円!ショパンのレッスン譜2200万円!!

Photo: invaluable

コレクションしたい、と思う気持ちは何となく多くの皆様がぼんやりと~はっきりと共有する感覚ではないかと思うのは私が昭和脳だからでしょうか。のび太やスネ夫はジュースの王冠とか切手とか、特にミスプリントのやつとかを一生懸命集めてはドラえもんにずるをお願いしていたような気もします。

人よりも知っていたい、人よりも持っていたい、人よりも有能でありたいという意識がのび太にずるさせるんだと思います。現実はそう甘くない。

しかしここに出てきたコレクションはどうであろう。ジャイアンも「欲しい」とよだれを垂らすのではないか。トルコ出身のフランス人作家、哲学者、音楽評論家のアンドレ・トゥブフ(2021年没)が遺した音楽関係の貴重な資料がどばっと放出されオークションにかけられるということです。一部コレクター界隈が沸きそうな話題であります。

Une partie de la collection d’André Tubeuf va être vendue aux enchèresDiapason
https://www.diapasonmag.fr/a-la-une/une-partie-de-la-collection-dandre-tubeuf-va-etre-vendue-aux-encheres-37345.html

私など自宅の棚が小さいし、きちんと丁寧に保管できる気もしないし、虫食いとかも怖いし、潤沢な資金も今のところないしやめとくわ、なんですけれど、やっぱりベートーヴェンの自筆譜とかが自宅にあって額に入れて壁にかけてあったりなんかしたらきっとインスピレーションがどぼどぼ湧いてくるような気がするな。アドレナリンが出ずっぱりというか。あるいは反対に3日もすればすっかり慣れてしまって、特に何も感じなくなってしまうかもしれない。時々目にするからありがたいものかもね、と達観するかもしれません。

そんな戯れ言はこれぐらいにしておいて、ベートーヴェンが弦楽四重奏曲第13番を作曲するにあたって残したスケッチ。様々な音楽的アイデアが書き込まれていて、めちゃくちゃ貴重。予想落札価格は2600万円ぐらいだそうで、中古なら家が一軒買えそうなお値段です。紙切れ一枚が、2600万円!!ぐはっ!!

「なんでこういうのを個人が所有していたの」とか「このあともまた誰か個人が買うの?」とかそういう疑問もあるわけです。間違って妻が捨てる、孫がクレヨンでぐるぐるする、なんてことになったらどうする!

とか思いますがそれは杞憂でございましょう。個人が買ったとしてもきっと素晴らしく価値の判る、丁寧に扱う方の手に渡ることでしょうし、図書館とか財団とかそういう人たちの手に渡ることも十分に考えられる。ぜひ有効に活用していただきたい。

そしてもう一つは、バッハの印刷譜なんですがね。これです。これがなんと2200万円。これがなんで価値があるかっていうと、ショパンお弟子さんが買った楽譜で、ショパンのレッスンで使われたもので、そして「ショパン自身の書き込みがいっぱいある」と言う点ですね。最後が一番の高額ポイント。

ショパンはバッハを非常に高い位置に置いていた。そして現実にどう解釈していたかが判る。面白い。「一部の音符に変更を加え、トリルを追加している」とか書かれているんで、これは現代の感覚では「やったらあかんやつ」なんですけど、いいんだよ。ショパンだから(いいのか)。

そのほか様々なメシアンのノートブック(45万円ぐらい想定)とかいろいろな品々は実際のオークションのページに行って見てね。

オークション開催は6月1日です。待ってろ俺のベートーヴェン(買いません)。

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