ストライキというのは日本ではもうほぼ全く聞かない用語になってしまいましたけれども、やりがい搾取はいかんですよ。日本は飼い慣らされてしまっているのだ。立ち上がれ労働者たち!!おお!!・・・・・・って唐突に申し訳ございません。
ロンドンでは大規模なストライキが25日に予定されているということで、その日にバービカンで予定されていたロンドン交響楽団のコンサートも実施が困難になった。ということで急遽その日(25日)に予定されていたユジャ・ワン出演の完売公演を一日前倒しにして24日にやることになったそうです。
François-Xavier Roth & Yuja Wang: Making History – London Symphony Orchestra
https://www.lso.co.uk/whats-on/francois-xavier-roth-yuja-wang/
なるほど。
なかなか強引な事をしますね。しかしオーケストラのコンサートをいきなり前倒しして問題は発生しないのだろうか。大丈夫です絶対に発生します。奏者の方からも、チケットを持っている人からも「ブー」と言われるのは間違いがない。ある場合は「ブー」となり、ある場合は「ブーブー!」であり、ある場合は「ブーブーブーッ!!!!!」である。
でも中止にするよりはやったほうがいいよね、という判断でやるわけだ。もちろん関係者みんなで話し合って、どうするのがベストか議論して決めるわけですね。これによって24日はオーケストラにとってはダブルヘッダーだ。なんてこった。
しかし24日のコンサートはラッキーなことに同じプログラムというか、25日に予定されていたコンサートとほぼ同じって言うか、プログラムの後半だけが演奏される変則的なコンサートだったのです。ハーフ・シックス・フィックスっていうシリーズみたいなんすけど、18:30から一曲だけ演奏するんで、それ聴いてから夜のロンドンに繰り出してくれよな!みたいなコンサートだったみたいなんですよ。なるほど、そういうコンサートもあるんだなあ。
なおこのハーフ・シックス・フィックスで演奏されるのはベートーヴェンの田園。指揮はフランソワ=グザヴィエ・ロト。おっ、ロトが。ハーフだからって、手抜きはないぜ。そういう心意気が見えてくる。そう、世の中ね、「どうせ手抜きなんでしょ」って思われたら負けなんですよ。こういう時は本気モードでやらないとだめなんすよ。
これは新たな聴衆を獲得する、あるいは、コンサートに行きたいが2時間はなげーな、そういう人向けのカジュアルなシリーズであろうと勝手に想像しましたが、どれぐらい人が集まるものなのかがちょっと気になるところ。
ほんで、この24日のオリジナルの方のコンサートが19:30とかそれより少し前に終わるので、そこから大急ぎでお客様の総とっかえをしまして、20:15からダブルヘッダーの第二戦目。ユジャ・ワンが登場し最近あちこちで弾いているリンドベルイの協奏曲第3番のイギリス初演。そのまま休憩抜きで後半戦(田園)へとなだれ込み、21:40には終えようというのだ。
ロンドンの世間的には組合による大規模ストライキが予定されているなか、ロンドン交響楽団は指揮者や楽団の組合と相談しつつ、現実的な解決策を見いだしたわけですね。素晴らしい。組合対組合の対決は、組合の勝ちだ!!・・・・・・っしゃ!!
なおこれによって行けなくなった人はもちろん払い戻しを受けられるし、まだ買ってなかったが買いてえっていう方ももちろん購入が可能(完売してたけど多分戻ってくるチケットがあるという前提)。
大人の事情を大人の事情で解決する。素晴らしいことです。臨機応変、これこそが世の中に求められるスキルであります。私も臨機応変に対応することをいい加減に覚えたいと思う天神&中州の朝であります。
今日も臨機応変に行こうぜ!!
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