ジョルディ・サヴァール、イスラエル政府を非難する声明文を仏ル・モンド紙に寄稿

フランス南部、リヨンとジュネーヴの間に位置する非常に小さな街、というか村?アンブロネというところに私はいま居りまして、今夜までアンブロネ音楽祭という古楽専門のフェスティバルを訪れています。世界中から集まった古楽の関係者と毎日会って、貴重な話をシャワーのように浴びています。ホテルの部屋のシャワーなら流れが日本とは比べものにならないほどイマイチですが、ミーティングはとても強烈で、ジャージャー勢いよく頭から水をかけられている、そんな気分です。天気にも恵まれ、朝のランニングもはかどる!!!

コンサートに関しましても絶好調で、昨夜はイル・カラヴァッジョ/ドラフォルジュがモーツァルトの珍しい「第一戒律の責務」、11歳の時のジングシュピールを演奏して会場が沸きましたし、本日はピグマリオン/ピションを聴くことになっております。これが意味することは何か。わかりますね(わかんない!!)

せっかくなので昨晩のお写真を1枚。

ほらね。

そしてここでは毎日ジョルディ・サヴァールの名前を聞きます。1980年に始まったこの音楽祭、サヴァールはウィリアム・クリスティなどと並びしばしば訪れていたようで、ここでも非常に尊敬されていることがわかります。

そのサヴァールがフランスの新聞ル・モンドに寄稿しました。「ガザで起こっていることを止められなければ、私たち全員が道徳的な責任を負うことになる」というタイトルです。サヴァールはカタルーニャ出身のスペイン人ですが、フランス語を流暢にお話になるので、翻訳ではなく自身そのものの言葉でしょう。

全文は課金しないと読めませんが、ディアパソン誌が要約しているのでそこから孫引きさせて頂きます(すいません)と、サヴァールはスペインという特殊な国で育った。中世以来キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の人々が共存してきた、それが自国を豊かにしてきた。自身の設立したアンサンブル、エスペリオンXXで1974年にはアラブおよびイスラエルのアーティストとともにセファルディ系移民の音楽を演奏していたそうです。

ラハフ・シャニのコンサートが中止されたことについて、「復讐心に駆られ、興奮し、SNSに煽られて軽率さと粗雑な対立、一方的な言説に陥りやすくなっている。分断と対立に抗い、人間性を決して見失わないよう」にと警鐘を鳴らしています。「2023年10月7日のハマスによる言語道断のテロ(1200人以上の死者と251人の人質)でさえ、イスラエル政府による65000人以上のガザにおける死者という不釣り合いな報復を正当化することは出来ない、飢餓を兵器として利用することは、民間人を犠牲にする戦争犯罪である。」「ガザにおける極限の野蛮行為を続ける責任者たちが、それをやめる気配を一切見せないとき、避けて通れない問いが残るのです。『私たちはジェノサイドを前に、中立でいられるのか?』」

私たちは無力だが、ジェノサイドが止まること、そしてハマスによる報復の報復が止まることも祈りたい。報復は報復を連鎖させるだけです。

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