ユジャ・ワン・プレイズ・ラフマニノフ(全部)

いや、なんかユジャ・ワンがあちこちでラフマニノフをやたらいっぱい弾いてるなってぼんやりと思ってたんですよね。ほんと、うっかりしてました。

いや別にうっかりしてたわけでもないんですけど、今月28日にユジャ・ワンがニューヨークのカーネギーホールで“どえりゃーイベント”をおやりになるということをついさっき知ったんですよ。

ユジャ・ワンと言えばどえりゃーテクニックにどえりゃー衣装なんですが、そこにどえりゃーイベントという文字も加わることとなった。何のことかと言うと「ラフマニノフのピアノ協奏曲全部乗せ」を一日で、というイベントなんです。はっ?そうです、やるんです。

順番を言いますね、1、2、4、パ、3です。繰り返します、1、2、4、パ、3です。途中に入ったパが何なのかはラフマニノフに詳しいあなたならお分かりでしょう。そう、あれな。ラフマニノフは今年生誕150周年だし、こういうのをやってもええんやで。

https://www.carnegiehall.org/Calendar/2023/01/28/The-Philadelphia-Orchestra-0200PM

上記カーネギーのサイトには20分の休憩2回を挟んで合計3時間半ぐらいの長さになる予定とあります。つまりスーパースター、ユジャ・ワンはだいたい2時間50分ぐらいピアノの前に座っている計算になります。音符何万個鳴らすの誰か数えて。いやはやこれを耐久レースといわず何と呼ぶか!!

それにしてもユジャ・ワンみたいなスーパースターがこういう事をやるとは思わなかったし、ネゼ=セガンみたいなスーパースター指揮者がこういうのを引き受けるとも思わなかったし、フィラデルフィア管弦楽団というスーパーオーケストラの組合がこういうのにオッケーするとも思わなかったし(お金で解決したんだろうけれど、それでも)、世界のカーネギーホールがこういうイベントを主催するとも思わなかったですよ。

時代は変わる。いつまでも前半後半アンコおわり、前半後半アンコおわり、というコンサートの時代は終わる、とは言わないが、それだけではなくなっているということです。こういうものが受ける時代になっている(もちろんチケットは完売もしくはほぼ完売の模様)、時代の変化の証でありましょう。

再現芸術と呼ばれるクラシック音楽のコンサートも変化するのだ。実に感慨深い。

それにしてもユジャ・ワンがこういう耐久レースに関心あるとは本当に思わなかった。どうして引き受ける気になったのか、あるいは本人が言い出したのかもしれないし、こんどユジャ・ワンに会ったら聞いてみよう(会う予定ないけど)。

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