オフィス山根の業務シリーズ①:アテンド業務

みなさまごきげんよう。不肖わたくし、山根悟郎と申します。合同会社オフィス山根という会社を昨年8月に作って、ぼちぼちと仕事しております。

いまは有限会社というものは作れなくて、合同会社というものを作ってやっております。合同会社って何ですかって言われることもありますけれど、詳しいことはwikipediaとかでお読みください。なおアップルやアマゾンや西友と言った会社も合同会社ですので、けして怪しいものではございません、多分。これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

さて、オフィス山根ではどういう業務を提供しているか。それについてこのブログでも折に触れお話をさせて頂いていこうかと思いました。「オフィス山根の業務」という新しいカテゴリーも作ってみたよ。なるほど、とか、へーへーとか言いながら(口に出して言わなくてもいいですが)お読み頂けますと幸いです。えっ、お前の仕事なんかに興味ないわ?まあまあそうおっしゃらず。

今日はその①ということで、昨年の開業より大変有難いことに様々にご依頼を頂いております「アテンド業務」についてお話したい。

アテンド業務、聞いたことないなと思われますか。これは何か。コンサートの裏側にある業務の一つでして、一言でいうなら「出演者が演奏に可能な限り集中し、コンサートで最高のパフォーマンスを発揮できるようアシストする業務」です。

とりわけ海外からアーティストが来日してツアーをする際に依頼されることの多い仕事です。アーティストと主催者との円滑なコミュニケーションのため間に入る。一緒について回るだけのこともあれば(だけと言っても後述の通りいろいろある)、ビザ、旅や宿の手配、リハーサルスケジュールや公演当日のスケジュールの調整なんかもすることがあります。

日本の音楽事務所が自社の社員で行うことも多い業務ですが、人手が足りないときなどに外注することがあります。また、海外からのアーティストの日本ツアーにおいて日本の音楽事務所が介在しない場合、オフィス山根のような業者に一部あるいは全部を委託することもあります。毎回の業務がオーダーメイド的な感じでしょうか。人と人とをつなげる役割ですね。

ツアー中にはいろいろな事が起こります。むしろ何も起こらないツアーはありません。なので、アーティストの近くにいて、起こる様々なプチトラブルをプチプチッと潰して行く、そういう役割ですね。ぷちぷちは皆様お好きでしょう?私も好きですね。あれを手に取ってプチップチッと潰して行くのはとても心地がよい。格好のストレス解消だ。そう、その調子。プチトラブルもどんどん潰して行けばいいのです。トラブルが大きく、固くなって潰せなくなる前に。

うわっ山年さん、Aさん楽屋に閉じこもって出てこようともしないけど大丈夫ですかね。「ええねんえええん、ほっとけ!」・・うわっ山根さん、Aさんが山根さんを楽屋に近づけるなって言ってますよ。「言わせておけ!」こうなったら末期症状ですね。次はないと覚悟してください。

自身の楽屋をご用意頂ける事もあります。ありがとうございますありがとうございます。

「特殊な食べ物が突然欲しくなった」とか、「あれがない」、「これを忘れた」、「明日のリハーサル時間を変えたいorいますぐリハーサルが出来ないか」、「明日のスケジュールなんだっけ?」「頭痛がするので薬がないか」「眠れないので睡眠薬がないか」「空港で荷物が出てこないの」「ドレスが破れた」「弓の毛替えがしたい」「ベジタリアンなんだがどこかにいいレストランはないか」「飲みに行こうぜ!」等々。

こういったご要望に次々と答えつつ、コンサートの妨げとならないよう適度な距離感とリラックス感を演出します。本番中は舞台袖に待機します。時間が来たら楽屋のドアをノックして舞台袖まで送り出す業務があります。演奏が終わって舞台から演奏者が戻って来たらお水を差し上げたり汗拭きタオルを差し出したり、指揮棒を受け取ったり、などすることもあります。まあ執事的な意味合いも少なからずありますね。たまにはつまらないおやじギャグを炸裂させ緊張しているアーティストを脱力させるのもいいかもしれない。

何?部屋に忘れ物をしてあわてている?こちらも一緒になって慌ててはいけません、ますます興奮して事態は悪い方向に動きます。どんなにシリアスな事が起こっても、それをまず受け止めて、何が出来るかを冷静に考え、対応策を提案していく安定感や臨機応変さが大切です。

お役に立ちたいという気持ちは大事ですが、あまりべったりくっついてあれこれ逐一尋ねて回るとそれはそれで重いしお互いに疲れる。反対に放置しすぎだと不安になる。そのあたりの適切な距離感を保ちつつ「いい演奏」をゴールとして目指すのです。

どれぐらいの距離感がいいのか?そればっかりは経験とカンですね。毎回毎回が勉強というか、人によっても、その時々でも違う距離感を求められるので、よく観察することでしょうか。観察と言ってもじろじろ眺めることではなく、空気感を読むことですね。あんまり眺めるとそれはそれでアーティスト側のストレスになり得るのでやめましょう。とはいえ、眺められるのが大好きな人も稀にいますのでこれも経験とカンで対応。

また「日本人は何を考えているのかわからない」とはよく言われることです。はいがはいを意味せず、いいえがいいえを意味しないことがしばしばある。なので欧米の方々が混乱することもある。そこはできるだけ排除して、思った事やいま求められている事をストレートに伝えることも大事。とはいえあまりストレートに伝えすぎると傷つけることもあります。ポジティブなことはストレートに、大げさぐらいに、ネガティブなことはオブラートに包みながら、最終的にはポジティブな感覚が残るように伝える事に務める。欧米人はストレートに言うからと言って、ズバッとネガティブな事も言ってしまうと、グサッと行っちゃって立ち直れない、なんてこともあるのでお気をつけ下さい。

こういう感じでしょうか。では来週も皆様、よいアテンド業務をお過ごしください。

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