20世紀の奇才がまたひとり。昨日、セーゲルスタムの息子、ヤン・セーゲルスタムがメディアに父の死について語ったということだそうです。
指揮者、そして作曲家のレイフ・セーゲルスタムを知らない人はどうかググってください。フィンランド人で、サンタクロースのような容貌をしていて(なお若い頃はかなりのイケメン)、世界的な意味で素晴らしい指揮者だったことに加えて、取り憑かれたようにわけのわからない交響曲を作曲し、一説によれば300曲以上、ル・モンド紙によれば370曲以上も作曲したという。人生80年で、370曲作曲しようと思ったらいったいどれだけ?
なおこのブログでセーゲルスタムの最新の(もしかすると最後の)インタビューをご紹介した段階では371曲だったようです。交響曲第81番につけられたタイトルは《80番の次》。ふざけてるのか!!いや、多分大真面目でやっていたはず。
▼ほんだらば交響曲288番、どうぞ!指揮台に指揮者おらんやんけ!(ピアノにご注目)
単純に割ると20歳から書き始めたとして年間6曲以上ですね。2ヶ月に1曲越えのペース。いや、単純に割ってどんな意味があるのかですが、ともかくこれだけの数の交響曲を書いた人はいないんで、そういう意味ではすごいんですが、実のところあまり演奏もされていなさそうな感じですね。本当かどうか、ギネス記録を申請したが却下されたという噂もあります。
なお指揮者としてめちゃめちゃ優秀で、日本のオーケストラにも来ていました。
シベリウス・アカデミー出身、ヴァイオリンとピアノと指揮を学び、ニューヨークのジュリアード音楽院でも指揮を学んだ。母校のシベリウス・アカデミーでやがておしえるようになった。自分の事をシャーマンの家系と語っており、「オーケストラを指揮するとき、私から何かが放射され、そこから素晴らしい解釈が生まれる」と答えたこともあったし、自らを「音楽のイエス・キリスト」と語ったとか。見た目の凄さ、発言の凄さ、膨大な交響曲、そしてずば抜けた指揮者としての才能。これを奇才と呼ばずなんとよぶのか!
セーゲルスタムの死を知らせるフィンランド国営放送の報道に写真もいっぱい載っているので、見てきてください。それこそさっき書いた若いイケメン時代の写真、トーベ・ヤンソン(ムーミンの人ですね)と一緒に踊る写真とかあってですね、なかなかぐっと来るものがあります。
長い間お疲れ様でした。交響曲、もう書かなくてもええんやで。
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