ロシア・ナショナル管弦楽団、プレトニョフとの契約打ち切り

ミハイル・プレトニョフはロシア屈指のピアニストで指揮者。日本でも東フィルとの良好な関係で知られています。プレトニョフと言えば、私としては「くるみ割り人形」を激推ししたい。

チャイコフスキー国際コンクール入賞者記念コンサート(1978年)でも聞きながら読み流して欲しい。

プレトニョフが1990年に設立しずっと芸術監督を務めたのがロシア・ナショナル管弦楽団。しかしオーケストラの発表によると、芸術監督との契約を更新しないということで、32年間の関係に終止符が打たれることになります。

ロシアには国立とかナショナルとかそういう名前のついたオーケストラもいろいろあっていつだってどこだって猛烈に混乱するのですが、これまでは「プレトニョフのオーケストラ」という表現で、ああ、あれね、と理解することができていたわけなのですが、これからはそうはいかないってことだ。大きな混乱を生むであろう。ああ!!(大げさ)。

解任の理由は、プレトニョフが2020年以降ほとんどロシアに戻っておらず、スイスに住んでいて、スイスの国籍も取得している。そのためオーケストラの長期的な戦略を立てることができない、という理由です。そらそうなりますね。プレトニョフは戦争を非難していて、ロシアでの活動が難しいということも理由としてあるようです。

後任が決まったわけではなく、しばらくはかかりそうみたいなことも書かれているので、まだしばらくはプレトニョフのオーケストラ、ということで呼ばれ続けるのでありましょう。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • ナショナル管では、すでに数ヶ月前、プレトニョフの右腕だった理事Svetlana Ripsが、通告なく一方的に職を解かれ、文化省から新たに派遣された体制側の理事に置き換えられるという事態が発生していた。プレトニョフはプーチンの干渉を批判して、理事の変更は受け入れない旨を主張した模様。
    プレトニョフはウクライナの戦争について沈黙を保っていたが、ロシア大使が臨席する東フィル定期で、敢えて『我が祖国』のアンコールにバッハの「G線上のアリア」を選ぶなど、無言の抵抗とも取れる行動をとっていた。
    さらに、クロアチアの新聞で、ついにロシアを全面的に非難。「情報操作とプロパガンダにまみれた愚劣な政治家に対抗するためには、善を行うしかない。私にできる善は音楽だ」(プレトニョフはクロアチア語も話すそうで、これらを、ゆっくり言葉を選びながら、クロアチア語で話した由)。
    このクロアチア語の記事は最初、Facebookのプライベートグループでのみシェアされていたが、先週ロシア語サイトに訳されて転載され、その翌々日に、突如、ナショナル管解任の報がテレグラムで発表されたという経緯。

    プレトニョフはすでに、クロアチアを拠点に、「ラフマニノフ・インターナショナル管弦楽団」を創設。ロシアナショナル管の元メンバーや、他の諸国、とくにウクライナからも団員を入れる由。すでにシチェドリンと「白鳥の湖」を録音済み。来年はラフマニノフの交響曲・協奏曲全曲(ソロはプレトニョフ )の録音などを行い、各地ツアーを行う由。

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