恐怖の「ピアノ騒音殺人未遂事件」

私が子供の頃聞かされた話で「ピアノ騒音殺人事件」というのがあって、ピアノの音がうるさい、ということで確か隣の家の住人を殺してしまった事件でした。・・・っていまググったところWikipediaに項目があったんでちゃんと読んでみましたら、団地の下の階に住んでいた家族のうち母子3人を殺害したというものでした。かなり詳細に書かれていて、いろいろ考えさせられました。

で、今朝見た衝撃のニュース。今月頭にアメリカのカリフォルニアで、同じような結果となりかねない殺人未遂事件が起こっていたのであります。私はブルブルと震えました。下の階での住人がピアノのウォーミングアップ中、上の階の住人が銃を4発下に向けてぶっ放し、そのうち2発が部屋に到達していたというのであります。1発はピアニストのかなり近いところに着弾していたと(幸いけが人なし)

https://www.classicfm.com/music-news/nurse-arrested-neighbour-piano/

犯人は39歳の女性看護師で、どうやらテキーラを飲んで酔っ払っていたとのことであります。すぐに逮捕されて現在も勾留されている。保釈金は50万ドル(およそ6,840万円)。階下の人物は「復習を非常に恐れている」とありますけど、よく読みますと、上の住人は引っ越してからすぐにピアノの音に文句をいうようになった、とありますんで、いきなり撃ってきたわけではなくて、その兆候というか、トラブルが存在していたということですね。階下の女性は命を守るため即座の引っ越しを選択すべきであって、しかも、ピアノを弾きたいならマンションはやめとくべきと申し上げたい。

自分自身が若い頃、長時間ピアノ練習をしていたのでわかるんですが(いや私は迷惑をかけていた方なので、わかる、なんて言ってはいけないと思うのですが)ピアノの練習の音は「ほとんど暴力」です。ピアノの練習って、ひたすらゆっくり、あるいは音楽をばらばらに分解して、難しいところを繰り返し繰り返し、あるときは片手だけ、あるときは奇妙なリズムをつけるなど、様々な種類のやりかたで、延々と音の断片が繰り返されるものなのであります。音楽としてまともにいっつも流れているなんていうことはぜってーに、ない。

「おや、お隣さん、今朝はショパンのバラード3番でお目覚めだね、うふふいいね・・・。おっと、こんどはフェインベルクのソナタ4番になった、・・・っとそうしたら次に聞こえてきたのは、と。これはトヴェイトの『ハルダンゲルの50の旋律作品150の第9曲』だね」(めっちゃマニアックやな)っていう夢のような想像は、現実には絶対にない、ぜってーに、ない。いいか、ぜってーに、なし、だ!!ハアハア!!(絶対ないです)

超天才ピアニストであれば、頭の中で練習、あるいはイメトレをすませ、実際に音に出すのはほんのちょっぴり、っていうこともありえないわけではないですが、そういう人は極く稀れです。ほとんどのひとはめちゃくちゃ長時間、超退屈な、と思われるやり方で延々練習するのです。そういうのを聞いてるとノイローゼになりかねない。

ピアノの練習には周りへの配慮が絶対的に必要なのです。防音対策は必須でありますし、それに加えて練習する時間帯、日時についてもよくよく考えなければいけない。完全防音ができているのならともかく(そして完全防音は非常に難しくて、実現しようと思ったら超高額になりますし、普通のマンションとかではたぶん無理です)、そうでないのなら、ほんとうによく考えてほしい。

ピアノがほしい、と子供に言われたら?先生には「電子ピアノなんてダメ」とか言われるかもしれませんけれど、一戸建てで、お隣との間もある程度以上間がある、とか、防音装置はしっかりしたものを買う(数百万円は覚悟)、とかそういう事でもしない限り、グランドピアノやアップライトピアノを買うよりも、電子ピアノ。トラブルを避けるため、絶対に電子ピアノを買うことを強く、心の底から、私はおすすめします。電子ピアノと言ってもお金を出せばそれなりにしっかりしたものがありますから。

コメント

コメントする