ジャナンドレア・ノセダは自分が買った弦楽器(ヴァイオリン7ヶ、ヴィオラ1ヶ)を、自身が2017年から音楽監督を務めるワシントン・ナショナル交響楽団のメンバーに貸与している。しかもオールド・イタリアン(古いイタリアの楽器)で、総額500万ドル(6億6897万円ぐらい)だという。おお!!すさまじい金額だ!!
A music director goes public with a secret stash of private instruments – npr
https://www.nprillinois.org/classic-91-9-hd2/classic-91-9-hd2/2023-04-14/a-music-director-goes-public-with-a-secret-stash-of-private-instruments
「指揮者って儲かるのね」と皮肉を口走ってはいけない。ここで大切なのは、得たお金を通じてそれをオーケストラに、ファンに、世の中に還元していこうという姿勢なのです。自分さえよければ他人はどうなったっていい、という利己主義とは全く異なっていて素晴らしい。しかも今こうして明るみに出たわけですが、当初は匿名で貸与していたというから、とてつもなく凄いことです。ブラボーだブラボー!!。
確かブロムシュテットさんもそういう事をやっていたと以下の伝記本で↓読んだように記憶しています。
「ヘルベルト・ブロムシュテット自伝 音楽こそわが天命」 -Amazon
それにしてもどうして貸そうと思ったのか?ノセダによれば「良いドライバーにフェラーリを与えれば、より速く走ることができる」。弘法筆を選ばずとは言うけれど、やっぱり良い筆だったら良い文字が書けるよねってことっすね。
しかもこれをやるきっかけが凄くてですね、よいか、心して読みなはれ。なんと2010年にNHK交響楽団(そう、東京のN響です)を指揮していて、団員の多くがイタリアの古い楽器を持っていた、音に温かみを感じた。そこに衝撃を受けたからなんだそうです。
日本が発信源であります。繰り返します、日本が発信源であります。繰り返します。・・・あ、もういいですか。
これは日本人として大いに誇れることではないでしょうか!!!
実際に貸与されているメンバーも「素晴らしい楽器があれば、音色や音質など最も重要なことに集中することが出来る。素晴らしい楽器でなければ力んでしまって美しい音にならない」と絶賛や。
この貸与は各楽器の首席奏者に優先権があり、それ以外の人たちは2年間の交代制で楽器を演奏できる、とのこと。耐えられないんで連呼していいですか。素晴らしい素晴らしい素晴らしい素晴らしいぃぃぃ!!
NPRのインタビュー記事の最後にあるノセダのコメントも面白い。仲のいい指揮者が言ったとこととして語っているのですが「スターになることが重要なのではない。音楽監督としてスター演奏家に囲まれていることがより重要なのだ、なぜなら彼らの発する光があなたをより明るくしてくれるからだ」。
指揮者なんで結局のところ自分がより光り輝くことが重要なんですけれど、それをどうやって実現するのか、発想の転換ってことっすね。我々もみんながハッピーになれるWin-Winを常に模索していようじゃあないか。
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