弦楽四重奏というのは、音楽の屋台骨と言いますか、最小のオーケストラと言いますか、エッセンスというのか、いってみれば大切なジャンルであります。えっクラシック音楽の中にさらにジャンル分けがあるんか。あるんです。弦楽四重奏は室内楽というジャンルに属するんだね。
弦楽四重奏というのは、ヴァイオリン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという4つの楽器で演奏されるもので、ヴィオラというのは何かというと大きいヴァイオリンで、チェロというのは何なのというとずっと大きいヴァイオリンのことです。
ヴァイオリンとヴィオラは横に構えて演奏しますが、チェロは90度直角に楽器を倒して足の間に入れて弾きます。オヨヨ。
しかし弦楽四重奏というのはクラシック音楽にとっての重要ながらも昔から「なかなかお客様に来て頂けない」「地味な」という捉え方をされがちなジャンルでもあります。そんな中でもスター弦楽四重奏団というものも存在していますが、今後若手がどんどん出てくるのか?というと、どんどん出てきているんだな。素晴らしいことだ。
BBCのニュージェネレーションという、若手アーティスト育成のためのスキームがあるんですけれど、今年の分の発表がありまして、選ばれた7組のアーティストたち、そのうちの一つが弦楽四重奏団なのです。昨年選ばれたレオンコロ弦楽四重奏団なんかも爆発的に評価を高めていると聞きますが、今年選ばれたカオス弦楽四重奏団も・・・・カオスぅ??
BBC Radio 3 announces 2023’s New Generation Artists – BBC
https://www.bbc.com/mediacentre/2023/new-generation-artists
お名前が独特ですね。彼らの公式サイトによりますとニーチェの言葉から取られたそうです。なるほど。レオンコロもなかなか独特な名前ですけど(エスペラント語でライオンハート=勇敢な心を意味するそうです)、カオスっていうのはどうなの。
ニーチェと言われたら突然凄みを感じちゃうのだが、単純に名前だけを聞くとどういうこっちゃと思いますよね。全員があっちこっち好きな風に演奏するっていう感じなんか。楽譜は無視、むしろあらゆるルールは無視しようぜ!!フリーダム!
それにしても名前って大切。その人たちの顔にあたるわけですから。でも先輩たちによってもう使われちゃっている名前もあるわけで、アマデウス、とか、ベートーヴェン、とかボロディン、とかがっちり使用済みなんで、どんどんと選択肢が狭まっていくのもまた事実であります。
じゃあカピバラってのはどうなの?どうしてそんな名前にしたの?もしかすると激論の果てに決まったのかもしれませんけれど、たぶん「テキトーです」って返ってくるんじゃないかとも思う(カピバラは実在するピアノ四重奏団です)。
弦楽四重奏団の名前の未来はどうなるのか。いよいよお名前の在庫が少なくなってきて、キラキラネーム化が進む日も遠くは無いのかもしれない。
光宙弦楽四重奏団、七音弦楽四重奏団、黄熊弦楽四重奏団、苺愛弦楽四重奏。
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