コンサートにおけるマナーとは

© Sebastian Koppehel (CC BY 4.0)

クラシック音楽の世界のゴシッパー、ノーマン・レブレヒトが報じているところによりますと、ロレンツォ・ヴィオッティ指揮ミュンヘン・フィルのアムステルダム、コンセルトヘボウ公演で、最前列に座っていた客2名(4列目とするツイートもあり)がマーラーの6番の演奏中おびただしい数の不適切行動をとったそうです。以下にそれが列挙いたしますが、さすがにこれは、と信じがたい内容。具体的には

・演奏中ずっとおしゃべりする
・お互いに動画を、何分も撮りあう
・指揮するかのように腕を振り回す
・指揮者にスマホでメッセージを書く
・気の向いたときに拍手する
・キスする
・1楽章、2楽章のあと叫ぶ
・3楽章の後にも拍手
・でかい毛皮のコートを隣の席に置き(肘掛けに乗せたのかな?)、依頼されてもとろうとしない
・静かにするよう注意した近くの人に暴言を吐く
・終演後にほかの客に暴言を吐く

コメント欄も大荒れになっていまして、誇張だとか、本当だとか、引きずり出せだのハンマーでぶったたけ(註:マーラーの6番では楽器として実際にハンマーが用いられる)だの、60件以上のコメントがついております。ツイッターでも実際に行った方のコメントもあって、全然気がつかなかった、という人もいれば、最悪だったという人もいました。

アムステルダムだけにこのお二人はお薬方面をやられて旅に出られていたのかもしれない。あるいはアルコールで酔っ払っていたのかもしれない。いずれにせよ上が事実であるとすれば、という前提に基づいて判断するなら、常識ある大人ならとらないような行動で、空気を読めない、のレベルではなさそうにも感じられます。クラシック音楽のコンサートには相応しくないお客様だったのかな、と。このお二人についてはいわゆる「今後はお越しにならないで下さいね」という対応で(おそらく)よいのではないかなと思います。

とはいえ、クラシック音楽のコンサートに行くと息苦しいなと思うこともまたありませんか。これでもかというほど注意事項がアナウンスされ、それに反すると思われる行動については案内係にクレームが飛び、対応が不十分だとなじられる。

静寂もまた音楽ではあり、クラシック音楽の楽しみの一つではありますが、ちょっと静寂に対する期待、要望が行き過ぎているのでは、と思うこともないわけではりません。

あまり静寂を求めギリギリとストイックにやると、かえって人が離れて行くんですよ。何事もほどほど、バランスだと思うんですよね。いや、そのバランスの取り方、さじ加減が難しいのですけれど、すこしゆるめ、ぐらいでちょうどいいんだと思いますよ。

コメント

コメントする