「挑む」という書き方はしないほうがいいのだ、なぜならそれはどうもその挑むところの高みに到達していない、という風にも読まれてしまうからだ。とその昔、大先輩から聞いたことがあります。ほんとうでしょうか。私の言葉に対する繊細さが足りないのか、あまりそういうネガティブな印象はこの言葉から受けないんだが、皆様はいかがでしょうか。だが今回は違う。違うってどういうことかというと、本当に初めてだったんだよね。
初めてのアーティストトーク。マチェイ・スクシェチュコフスキが聴衆の前で話をするのは初めてだというのだ。それはいい。若いからいろいろ体験するといいよね。本人もそのへん大変オープンマインドっていうか、なんでもやってやりましょう、と思っている節があり、実にたのもしい。あまり口数は多くなく、表情もどちらかというと派手めではないのだが、チラチラと見える表情からは、すり切れちまったやさぐれ猫のようではなく、ピュアに、本当に物事を愉しんでいる様子が見受けられる。時々にやっと笑う感じなんかがね、控えめで、日本の胃弱系のおっさんとしては実にいいなと思うわけだ。
で、アーティストトーク。いわきアリオスの音楽小ホールには昨夜60名近い人々にお集まりいただきました。ありがとうございます。なんのかんのと私が(そう、私が!のこのこ出て行って聞き手をやらせていただきました。昨日のトークに何か不満があったで、という方がもしおられたらその責任は私にありますので平にご容赦くださいすいません。あと写真で奇妙なキモい笑い方して写っててごめん)、聞き手を務めまして、通訳はクラシック音楽の英語通訳ならこのお方!久野理恵子様!!
私が奇妙なテンションでごめんなさい久野様(すぐに謝るやつ)。
いやしかし、実は子どもの頃はグレン・グールドが好きだったとか、ピアノからチェンバロに転向するにあたってしっかり慣れるまでに3年はかかった、とか、なんでコンクール受けたん?そもそもコロナで人前で弾く機会が全くなかってん、10ヶ月コンクールだけに集中しててん、まさか優勝するなんて思ってもいなかってん云々。そういう話がお客様の心にガーンと突き刺さったと思うんですよね。
しかも3台のチェンバロを弾き分けてくれましたし、それぞれの個性を生かした曲をさらさらっと弾いてくれたので、私どももガーン!と感動して、これは!!なんたる愉快なんたる愉快!!と大興奮のご一行であった。ひかえおろう。
いやーほんと軽々といろいろ弾けるんだよ。すごいね。これだけ悠々と弾けたら楽しいだろうな。
世の中には2タイプの鍵盤奏者がいる。椅子の高さを気にする者と、気にしない者だ。ここまでお読み頂いていればもうお分かりだと思うんですが。マチェイ・スクシェチュコフスキは後者なんですよね。椅子の高さ、、、、そうね。さあ、高い方がいいかもだけど、なんでそんな質問するの?
・・・・・・大物や!!!(明日に続く)
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