昨日、キングズ・シンガーズのアメリカにおけるコンサートが開演の間際、2時間前に中止になったことが物議を醸しています。
https://www.nytimes.com/2023/02/14/arts/music/pensacola-college-kings-singers.html
アメリカ、フロリダ州のペンサコーラ・クリスチャン大学で予定されていたキングズ・シンガーズのコンサートは、「メンバーの1人が聖書と矛盾する生き方をしている」という理由で突如としてリハーサル中に中止を宣告されたという話です。
先日日本でも、オフレコ前提の同性愛嫌悪発言によって炎上した案件がありましたけれど、LGBTQ+とかそういった方面への理解が日本より遙かに進んでいるという風に思われているアメリカでもやはりこういったことは起こりうるのだなと思いますね。
大学側は「アーティストを尊厳と尊敬をもってとりあつかい、報酬は全額が支払われた」とツイッターで発表しているのですが、このあたりは公言する必要があったのかどうかもやや微妙です。一方的にキャンセルを通告されたアーティスト側としては貰うのも納得できないし、貰わないというのも納得いかない。じゃあ半分にしよっか、というものでもない。大学側の対応としては、真摯に対応した、という事なのだと思いますが、金を与えてさっさとあっちへ行けと追い払ったという風に写らなくもない。難しい。
キングズ・シンガーズは以前もこの大学(なお「原理主義」に属すると言われる大学だそうです)に出演したことがあるそうなのですが、だからといって今回もうまく行くというわけでもないですね。たまたま前回は大学側に知られずスルーされたのかもしれず、そもそもメンバーが違ったかもしれず、あるいはメンバーがライフスタイルについて公表していなかったかもしれない。ところが今回はその生き方が反対派の知るところとなり、学生やその親たち、もしくは職員から、キングズ・シンガーズを受け入れることは大学の価値観に反する、というクレームが事務局に来た。大学側としてはそれに対応せざるを得なくなった、ということかもしれない。
なかなか簡単ではない話だと思いますが、キングズ・シンガーズのコメントはバランスが取れていると感じました。
「この後のあらゆる会話が、より大きな愛、需要、包摂を促すかもしれない」
いたずらに過剰に反応をしてお互いにお互いを切って捨てるようなことがあってはならないのだと思います。
「話せばわかる」「問答無用!!バーン!!」(←だめです)
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