音のトラブル、西東。

ロンドンで音が引き起こした近隣とのトラブルによってアパートを引き払わざるを得なかった女性の話がニュースになっているのを目にしました。永遠のテーマ、難題ですか。

‘I felt so betrayed’: classical musician forced out of London flat after noise complaints The Guardian
https://www.theguardian.com/music/2023/may/14/musician-forced-london-flat-fiona-fey-mediaeval-babes-noise-abatement

ある人気合唱団のメンバーが「過度の騒音を発生させているのでやめるように、違反したら最高5000ポンドの罰金」という通達を地元当局から受けた。その結果彼女は練習やリハーサルが困難になり、アパートを引き払わざるを得なくなり、苦しんでいる。これは差別だ、と訴えている。練習していたのは午前11時から午後3時ぐらいまでで、常識的な範囲の音しか出していないし、そもそも音楽家は音を出すのが仕事だし、音楽は日常の生活音なんかではない。最近はテレワークも増えているので今後このような問題は増えていくだろう、と。

彼女はオンラインで署名を募っていて、すでに6万人近くが彼女に賛同を示している。

しかし私はどちらかというと「聞かされてかわいそう」と思ってしまうんですよね。常識的に考えて、お隣さんから定期的に音楽が聞こえてきたら気持ちええという人は少なくて「・・・・・・うるせいのう」と考えてしまうものではないでしょうか。

日本の、最近のマンションであれば、通常のというかいわゆる日常生活音が聞こえることはあまりないんですけれど、音楽をやるというのは別。音楽って日常の音よりずっと大きな音が出るし、世紀の大天才でもなければ音楽の練習っていうのは繰り返しの長時間練習が多いんですよ。戸建てでも同じ。

「んまあ!お隣は音楽家なの!!」「音楽が聞けて素晴らしいね!」なんていうことは現実にはほとんどない。「断片が」「延々と」「繰り返される」というのは同じ建物の近隣に居住する人たちにとってかなりの精神的苦痛を強いるものであります。

スポーツの場合も繰り返し練習するし音が出ますけれど、自宅ではなく練習場所や屋外でやるのが通常ですね。自宅でやるのは素振りとか筋トレとかイメトレとかそういう感じですかね。音楽も専用の練習場所でやれればいいんですが、音を遮断するという目的を達するにはお金がめちゃくちゃかかるんで専用の練習場所はそう多くない。だだっ広い公園で、みたいなのもなかなか難しいし。ちなみに防音室というものがどれだけお金かかるか知っていますか。6畳で200万円はみた方がいい。ドラムなら500万円でも足りないかもしれない。しかもそんな高額な防音室も完璧ではないので音が漏れる。難しいんですよ音を止めるって。

 何デシベル以下なら良くて何デシベル以上はダメとかそういう明確な線引きも出来ない。音が気になる気にならないは本当に人によって違うし、気になり始めたらずっと気になっちゃうから。はははなんだ君は神経質だな!気にすんなよブラザー!は通じない。

音楽の練習は専用の場所で、もしくはどうしても自宅でやりたいなら、自分が思っているよりもずっと強力な防音室を入れること。そしてそんな防音室も完全ではないので、それでもさらに配慮をすること、ですね。音楽ってお金がかかるんすよね。これは永遠のテーマなんですよね。

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