高齢になって転ぶのは危険だ、とはよく言われることです。「何歳になってもおかわりがない」そのようにも思われていた指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット翁(95歳)が転倒したというニュースが電撃のように世界を駆け巡ったのは6月のこと。
いや、駆け巡るなんていうのはちょっと大げさか。クラシック音楽の存在感は、そう、たとえば陸上競技ほどには大きくないので、「棒高跳びで世界記録が出ました6m21イィィィィイイ!!ギャッヒーン!!」ほどのインパクトはないかもしれない、としぶしぶ認めざるを得ない。
それにしても、転倒のあとの回復状況は本当に心配なところで、どうなっているんだろうと気になっていたところ、今月のグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団(オーストリアのユースオーケストラ)とのツアーに出演しないことになったとのニュースが出ました。
https://gmjo.at/en/jukka-pekka-saraste-takes-over-the-summer-tour-2022/
あああこれはもしかしてもう寝たきりとかになってしまって、そのまま引退とかか、とか少し暗い気持ちになったりもしたのですが、オーケストラが発表している上のコメントによると「ブロムシュテットは最後までこのツアーの指揮を希望していた。しかし主治医らの勧告により、指揮活動の再開は早くとも9月中旬となった」とあり、本人は、やる気だ。そう、やる気なんだよ。なので、そう簡単に引退なんかの方向には行かなそうだという期待が持てます。
とはいえ95歳、超ご高齢であることは間違いがありません。ゆっくりとご静養いただいて、またお元気なお姿を拝見させていただける日が来ることを願っております!
ていうかそもそもグスタフ・マーラー管とのツアーのスケジュールがすごいので見てほしい。
8/22 ボルツァーノ(イタリア)
8/23 ボルツァーノ(イタリア)
8/25 ザルツブルク(オーストリア)
8/27 ラインガウ(ドイツ)
8/29 ドレスデン(ドイツ)
8/30 アムステルダム(オランダ)
9/1 トリエステ(イタリア)
9/2 ポルデノーネ(イタリア)
9/4 フィレンツェ(イタリア)
うそやん。これ95の人間がこなすスケジュールか。詰めっつめやな。半分以下の年齢である私(45さい)でも相当しんどいと思いますよ。
なおツアーのの代役指揮者はユッカ・ペッカ・サラステ66歳。初共演。
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