オペラの演出で動物を舞台上に出すことは虐待にあたるか

その昔、東京ドームで《アイーダ》をやったときは象とかライオンとかが出てきたとか、新国立劇場の《アイーダ》では馬が出てきたとか、そういうのありますよね。でも今後はそういうのがどんどん難しくなるんでしょう。いや、難しいとか書いたらいけないのか。どんどんなくなっていくのでしょう。予算の問題もありますけれど、むしろ動物愛護的な意味合いで。大きな動物、小さな動物に限らず。

ベルリン国立歌劇場の演出でウサギとモルモットが使われていたようで、ワーグナーの《ラインの黄金》と《ワルキューレ》において、ヴァルハラにある神々の要塞の中にある研究所を表現するためのものなんだそうですけれど、神様も研究するんだ、へー、とかそういう無駄な感想はおいておくとして、それが動物虐待にあたるということで世界最大の動物愛護団体PETAのドイツ支部がベルリン国立歌劇場に対してヤメレと言ったという話です。おや、河野先生。

そしてベルリン国立歌劇場側はモルモットの使用をやめることを約束し、ウサギについても30匹が舞台上にいたところ20匹に減らすことを約束したのだそうです。

https://www.classicfm.com/composers/wagner/peta-berlin-state-opera/

これに関してPETA側は「動物たちは大音量の音楽、明るい光が使われる恐ろしくて異常なシナリオに舞台上でさらされた。観客のアトラクションとしているために彼らはこの世にいるのではない。少なくとも一部の動物にストレスを与えずに済んだことは喜ばしいが今後動物を使わないことを望む」といった内容の声明文を出しております。ドイツ語なんで翻訳機にかけて読んでください。

歌劇場側もだまってはいない。「専門家の評価を経て使用していた」と主張しています。「公演やリハーサルにおいて動物にけがやストレスを与えることはなかった、プロのトレーナーによる責任ある監視下で実施された。飲み物と食べ物もたくさん与えられていた。照明のワット数も動物にあわせて調整されていて、動物たちはいかなるストレスの症状も示すことはなかった、もしもストレスの症状が出ていたら、継続することはなかったでしょう」というようなことが書いてありますね。

インスタで両者声明を出しているところに時代を感じるようだ。

いやしかし、そもそもそれよりもっとストレスを感じている動物が舞台上にいつもいるのはみんな知らないのかな。それは・・・

・・・

・・・・・人間(超小声で)。

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